いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

神様の跡つぎ -きみと過ごした奇跡の夏-

 

神様の跡つぎ -きみと過ごした奇跡の夏- (メディアワークス文庫)

神様の跡つぎ -きみと過ごした奇跡の夏- (メディアワークス文庫)

 

2018/11/02読了。

「神様の跡つぎ」というタイトルですが、どちらかというと「神社の後継ぎ」の物語だったなと読み終えた今は思っています。

 

自分より出来が良かった、神社の後継ぎにと望まれていたであろう双子の弟が「神隠し」のように忽然と姿を消してしまって十年。

いよいよ神社の後継者の儀式を行わなくてはいけなくなった直前、主人公は神様の後継ぎだと名乗る青年と出会うが果たして。

 

鎌倉が舞台ということで、源頼朝義経兄弟とこの双子の兄弟を見立ててる部分もよかったですし、兄が本当に弟想いで、喧嘩っ早いですが、それは決して自分のためでなく人のために拳をふるってるし、誰よりも神様のことを信じてる一途な想いに打たれました。

ただそんな彼に対しての世間の評価は厳しく、彼も今更真面目になる気は(当初は)さらさらなく、周囲からの苦言が非常に耳に痛い部分もありました。

どうしても、主人公がこの兄ですから、彼に感情移入する訳で、彼の弟への想いが本当に尊くて、果たして自分はここまで自分の兄弟に対して思えるだろうかと考えてしまうほど。

だからこそ、ラストの突きつけられた真実には、本当に泣けました。

 

いやまあ、予想はついていたのです。

神様の後継ぎとして現れた「シン」の正体。

そして、彼の本当の目的……予想はできてはいましたが、回避不可能な涙でありました。

また、最後の最後に決意して、真面目になった彼の背を押す風がまた泣けました。

最後に更にトドメをさしてくるとか、鬼かと。

 

これは前述通り、問題児だった主人公が、神社の後継ぎとして決心するための物語。

そして、再会と別れの物語です。

僅か4日間の奇跡の時間、しみじみ味わってほしいです。