いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

日日是好日

 

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

 

 

2018/10/12読了。

 

映画の方が気になって、まずは原作から触れてみようと思って手に取った作品。
以前からタイトル自体は存じ上げていたのですが、もう少し堅苦しい内容だと思って、勝手に遠ざけていたのですが、まさかこんなに読みやすく優しい(易しいではない)エッセイだったとは。
茶道の話ではあるのですが、茶道の心得を説いたものでも、指南書でもない。
茶道を通じて、作者さまの感じる世界がどう変わったのか、本人も驚きながら書いている、そんな感じでした。
何でしょう。
茶道経験者が書いているのに、立場としては限りなく茶道に触れたことのない人側に寄り添って書かれているというか。
だから、作者さまが感じた喜びや驚きを、同じ立場になって共感できるというか、共有できるというか。
文章に一切押しつける感がないんですよね。
平たく言うと「ドヤ感」がない。
こんな体験したら、ドヤって書いてもおかしくないでしょうに。

 

それにしても、この茶道の先生は「考えるな、感じろ」の先生だったんですね。
逐一理由や意味を説明してくれないから、習っていた最初の頃は何のこっちゃで混乱したでしょうね。
恐らく、途中でリタイアしてしまった人たちは、先生が用意してくれていた様々な仕掛けに気付くことなく終わってしまったのではないかなあ。
同じく若い頃に茶道をしていた母親に少し話題を振ってみたところ、「え、いろいろ説明してくれたよ。じゃないと先生じゃないじゃない」と一蹴されました。
それもまた、教育方針の違いか。
長い時間かけて、自分から気付くことを待ってくれる先生。
凄いとしか言いようがない(語彙力)


でも、自分で感じ取ったことこそ、自分の血肉になる。
理屈抜きで体が心が感じたことって、きっと一生ものだと思います。
時間はかかったけれど、何て素敵な体験をしたんだろうと、作者さまを羨ましく思いました。

 

それにしても。
この話、結局エッセイ本なんですけど、どうやって映画のストーリー組み立てたのだろう。
気になります。
見に行くかどうかは、スケジュールとの相談になるので未定ですが、原作との違いも気になるので、見に行けたらなあとは思います。
日常のちょっとしたことも大切に思えるようになる、そんな素敵な体験談でした。