いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

おとなりの晴明さん 第三集~陰陽師は夏の星を祝う~

 

 

2018/09/26読了。

 

現世で長期休暇中の晴明さん、夏休みの巻。
無論、ゆっくり休ませてくれる筈もなく、今回も問題の解決に手を貸す羽目になります。

 

今回は前作以上に仲町さんの他作品との縁を強く感じました。
からくさ図書館のメンツが登場するのはデフォルトなので、置いておくとして。
最初の話は、京都を飛び出し、奈良町の陰陽師の話が出てきますし。
主役2人が元気そうで、ほっこりできました。
出来れば、ご先祖様本人にも降臨いただきたかったですが。

 

ico-book.hatenablog.com

 

また、弁財天の話も登場し「アンティーク弁天堂の内緒話」にも繋がるネタが出てきたのも嬉しい仕様。
まさか他レーベル作品まで出てくるとは思いませんでした。

 

アンティーク弁天堂の内緒話 (幻冬舎文庫)

アンティーク弁天堂の内緒話 (幻冬舎文庫)

 

 (すみません、個別感想は用意できてないのですが、こちらも以前読了しております)

 

奈良町の話も、アンティーク弁天堂の話も、未読でも十分楽しめます。
未読だった場合は、桃花ちゃんと同じ視点から読めるので、「あの2人、恋人なのかな、フフフ」とか「弁天様に会ってみたいな~」と純粋な感覚で受け入れることができます。
既読だった場合は、「桃花ちゃん、実はね、ムフフ」と少し上から目線でニヤニヤしながら読めます。
嬉しいファンサービス。

 

こうして見ると、やはり仲町さんの書かれる作品の世界は、もう既に一つの「世界」として成り立っていて、読ませていただいている作品は、その世界を少しだけ切り取ったものなんだなと、世界の広がりの凄さを痛感致します。
似たようなことを毎回言ってるんですけどね。
一つの世界を構築で来ていて、それがぶれないってのは、本当に凄いと思うのです。
その内、ファンタジー要素がない植物探偵も関わってきたりするのかなと、更なる広がりを見たいところではあります。

 

閑話休題

 

今回は、夏休み期間で桃花ちゃんが遠出できる時間的余裕もあったので、活動範囲が広がったところも見どころでしょうか。
まさかの台北話が。
晴明さんが直接台湾に訪れる話ではないですが、そこで遭遇した不思議な出来事を桃花ちゃんがどう乗り越えるのかも、読んでいて楽しいポイントです。
ちゃんと丁寧にお参りしておくと、仏様は助けてくださいますよ。
夢の中に出てきた小さい晴明さんも、何気にツボでした。

 

そして、歴史的ネタを絡めた話が上手いのも仲町さんならでは。
今回は、悪女で有名な日野富子が題材です。
何気に新冥官登場ですね。
果たして日野富子は本当に悪女だったのか。
歴史というものを自分の中でどう受け止めるのかというのも考えさせられるいい話でした。
本当に奥深い作品。

 

最後は送り火の話で終わりますが、晴明さんの長期休暇はまだ続きます。
次は京都ではある意味「本番」な時期の秋の話になるのでしょうか。
続きがますます楽しみな作品です。

 

それにしても、今回の表紙も本当に雰囲気があって美しいですね。
晴明さんの浴衣姿が拝める日が来るとは……仲町さんの作品を追いかけてきて、これまた嬉しいご褒美でした。
桃花ちゃんも大人っぽくなってきましたし。
彼女が今後またどう成長するのかも、楽しみです。