いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

聞こえない君の歌声を、僕だけが知っている。

 

2018/09/12読了。

読んでいて話のジャンルが変化していくのが面白かったです。
最初は「無声少女」を探す謎解き・探索系。
その「無声少女」が歌っていた歌詞を作った少女と出会ってからは、家族の絆を描く泣ける系の話。
そして、いざ「無声少女」と出会えてからは、SF物に。
そして、恋物語になるという。
でも、読み終わってみると、最終的には「家族」の物語だったなと思います。
家族の物語で、究極の選択の物語。

 

中盤のこの家族の絆を描く点は、初読時に「周り道してるな」と蛇足を感じたのですが、これが後々に壮大な伏線になるという。
結果的には丁寧に丁寧に終盤に向けての物語を構築していたのですね。
無駄な話は何もなかった。

 

ネットアイドルSNSの活用など、今の時代のネタを上手く活かしていたのも印象的でした。
動画投稿サイトにはまる心境ってこうなのかなと。

 

でもやはり一番印象的なのは、前述通り、家族との絆。
そして、家族のために「選択」をする勇気と愛。
まさか、こんな話になろうとは、全く予想していませんでした。
もし未来が分かったとして。
その未来が人からしてみれば、決して幸せではなかったとして。
しかも、それを回避する方法があると分かっていて。
でも、そのためには、誰かを犠牲にしなくてはならないとして。
その時、果たして自分はあのキャラのようにその結末を選び取ることができるだろうかと自問してしまいます。
まさしく、究極の選択の先の、究極の家族愛の物語。
泣けました。

 

無声少女が歌うオールひらがなの歌詞も、ラストメッセージの際に活きました。
誰に向けて歌うのか、分かった時の鳥肌感。
幸せいっぱいのラストではないのですが、でも胸一杯になるラストでした。
この感動は、是非実際に読んで体験して欲しいです。