いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

恋する死神と、僕が忘れた夏

 

2018/09/14読了。

「死神」と「忘却」の設定といい、死神の少女と主人公の少年に隠されていた真実といい、細かく練り込まれた話だったと思います。
色々と二重構造になっていて、どんでん返しというか、隠されていた真実に驚かされると言いますか。
文章構成が、過去の話と現在とを交互に進むのが、個人的に少し混乱はしましたが。

 

扱っている内容が人の「死」を扱う以上、どうしても重くなりやすい話ですが、ライトノベル調の雰囲気と、死神の少女のノリの良さで、重くなりすぎずに読めました。
思いの外、さらっと読める。
死神が死と共に「忘却」される人の未練を解消するための手伝いをするという話ですが、その亡くなる方たちが総じて若いので、余計に重くなりがちですし。
(年輩の方も対象にいたのですが、さらっと流されてメインの話としては登場しない)
読者のターゲットが、同年代の10〜20代を想定しているのかなという気はしました。
ライトノベル感が拭えないのは、そのせいもあるかも。

 

前述通り、隠されていた真実が暴かれる度に話が二転三転しますが、特に大きかったのは、死神の少女についてでしょう。
「初めまして」で出会った筈の主人公の少年と過去に何らかの因縁があるのは分かるのですが、そこに隠されていた内容が多くて、とにかくびっくり。
一番多重構造になっていました。
しかも、彼女との最後の仕事を終えてからも明かされる真実が残酷で哀しいという。

 

自分の願いのために終わりのある運命を受け入れ、自分の願いのために彼を巻き込んだ彼女のわがままを受け止めた彼。
そんな彼の物語は、彼女とは別の形で続いていきます。
願わくば、この優しい死神が、この先の困難も乗り越えていけますように。
まあきっと、彼女はそばで「にひひ」と笑ってくれているのでしょうが。