いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

六堂先生の原稿は順調に遅れています 三

 

2018/07/23読了。
妖怪作家先生と担当編集者のタッグもこれで見納めかと思うと寂しく思えた最終巻。

 

最終巻らしく、今回は妖怪先生の(設定の)掘り下げ話がメインになっています。
また、担当編集者も自分の仕事のことを見つめ直す機会となりました。
何故自分は何かを生み出す側ではなく、編集者という表には出ない仕事に就いているのかという疑問に、真剣に向き合います。
先生にしろ編集者さんにしろ、お互いがお互いに自分のことを知って考え直す話になっていた気がします。
そのための伏線も丁寧に張られていて、「おお、あの話はこのことを示唆していたのか!」とすっきりすることも多数。

 

先生の掘り下げ話は、まさかの「裏」人格登場か? という展開に。
普段の彼からは想像できない凶暴な部分の目撃情報が。
本人には全く覚えがないのも不安を煽る。
どういうことかと思っていたら……まさかの某ゼノでサーガのエピ3な展開が待っていました(精一杯のネタバレ回避表現)
それを乗り越えた先には、まさかの妖怪「成長」へと繋がります。
先生、人間に近付きましたね!

 

今まで自分は空っぽだと思っていた先生を深く掘り下げてくれたところが、本当に楽しく読めました。
また男女ペアだとどうしても安直に恋愛に走りがちですが、この2人は(少なくとも本編最後までは)ビジネスライクを貫いたところも好感が持てました。
まあ、彼女は最初から一貫して仕事熱心ですからね。
これから先も彼女は先生を叱咤激励しつつ、粛々と原稿を取っていくんだなと思ったら、小気味よくもある。

 

全3巻で、過不足なくすっきり終わらせてくれた印象です。
小説家の裏側なども垣間見えて楽しいシリーズでした。
お仕事小説としても妖怪物としても、そして謎解き要素も見えて楽しめる作品ですので、夏に一気読みするのもまた一興かと。