いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

地獄くらやみ花もなき

 

地獄くらやみ花もなき (角川文庫)

地獄くらやみ花もなき (角川文庫)

 

 

2018/06/12読了。

まさか稲生物怪録から生まれた話とは。

妖怪とミステリを上手く絡めつつ、最後は悪人をまとめて地獄へ堕とす容赦のなさと爽快感。

キャラクターも個性的でキャラものとしても楽しめる、何とも様々な魅力に溢れた作品でした。

書店員支持率が高いのも頷ける。

 

鵺などの妖怪を扱ってはいますが、妖怪は事件の謎を解く鍵として使われていて、トリックそのものはしっかりミステリです。

その妖怪の特性が分かっていると事件の解決も早いという。

このミステリに非現実的な妖怪を絡ませたやり方が絶妙でした。

 

前述通り、キャラクターも非常に濃い……げふごふ、かなり個性的な設定となっております。

主人公は犯罪を犯した人が妖怪に見えてしまうニート(後に助手、からペットに格下げ)に、彼をどう見てもペットとして扱っている雇い主(この降格具合がコントのようで楽しかったです)さらっと正体を晒されてるけどスルーな謎の少女に、事件を解決した後必ず死者が出るという探偵(しかも、今回はざまあ展開も待つ)そして、歴史上の人物まで(ある意味この人が一番まともだったかもしれない)と本当に濃いメンツで。

このキャラクターたちの本当にコントのようなやり取りが癖になりました。

シリアス部分はちゃんとシリアスしてるんですけどね。

 

そして、主人公のニートが居候することになった屋敷、ここの特性を理解すると依頼人たちが抱えてる事件以外にも一つの謎が出てくるわけで。

あれ? と違和感を覚えていると最後にその伏線もちゃんと回収してくれます。

ここがどんでん返しというか、読者側にはサプライズ的展開なのでしょうが、この作品、ベタな展開で終わらせてくれない。

これがね、あるキャラがあるキャラだけに非常に残念な扱いをされて終わるという。

深刻な話だった筈なのに、深刻にならなかったところに脱力しつつ笑いました。

一言で切って捨てられましたから。

ありかよという。

 

ともあれ、回収してほしい伏線は回収してくれましたし、某探偵はライバルだということも発覚しましたし、まだまだ話が続きそうな雰囲気がふつふつします。

主人公のペット生活もまだまだ続くようですし(続けなくてはいけない事情ができたのですが、詳しくは本編にて)続編を期待したいところ。

早く続きが読める日が来ますよう、楽しみにしております!