いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

怪を編む:ショートショート・アンソロジー

 

怪を編む: ショートショート・アンソロジー (光文社文庫)

怪を編む: ショートショート・アンソロジー (光文社文庫)

 

 

2018/05/08読了。

ホラーのショートショート集。
さらっと読める長さのホラーですが、背筋が凍るような怖さのあるホラーや、グロテスク・スプラッタ系、ファンタジー系、「え、これもホラーなの?」と思える意外性のあるものまで、様々な作品を味わえます。
ホラー読んでみたいけど、どんなものを読めばいいかなあと思ってる人が手に取るにはぴったりの作品だと思います。
そこから、好きなホラーを発掘するのもよし。

 

実に様々な作品があるので、逐一感想を述べているときりがないですが、個人的に特に印象深かった作品をさらっとピックアップ(以下、敬称略)

 

【イルカのシール】(似鳥 鶏)
個人的に一番好きな作品。
これぞ正統派のホラーという作品。
ミステリ要素を絡めつつ、最後に明かされる真実で一気に恐怖のどん底に突き落とされるこの快感。
最近世間を騒がせている話も絡んで来て、より印象深い作品になった気がします。
(読み終わった当初は5月なので、まだあの事件発覚前ですが)

 

【デコイ】(坂木 司)
こちらも終盤のどんでん返しが印象的で、怖くもあり「ざまあ」と爽快でもあり。
女性の友情の怖さ、果たして利用していたのはどっちだったのか。
途中の占い師の忠告が、読んでいる途中と読み終わった後に改めて読むと印象が変わるのも面白いです。

 

【記憶】(福田 和代)
これは読んでいる途中も十分怖いのですが、読み終わった後にも恐怖が抜けきらないというか、日常生活にも侵食する系の怖さがあります。
記憶は不確実なもの、果たして自分が覚えている記憶は「正しい」ものなのか。
これを読んだ後だと、自分の記憶に絶対の自信が持てなくなると思います。
本を絡めたのも設定として大好きです。

 

【夕暮れ色のビー玉】(光原 百合)
まさか光原さんの作品が読めるとは!(ファン)
こちらは描写は美しいのですが、子供ならではの無邪気な怖さにぞっとできます。
本人は悪意があってやっていることではないのですが、当事者にしてみればえげつないという。
悪意なき子供のいともたやすく行われる容赦のない所業……本当に恐ろしいです。

 

こんなところでしょうか。

 

好きな作家さんも多数参加されていて、本当に贅沢なアンソロジーでした。
これから暑くなりますし、手軽に涼しくなれる1冊だと思います。
真夏の避暑用にいかがですか。