いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

木崎夫婦ものがたり 旦那さんのつくる毎日ご飯とお祝いのご馳走

 

木崎夫婦ものがたり 旦那さんのつくる毎日ご飯とお祝いのご馳走 (富士見L文庫)
 

 

2018/05/21読了。

粗筋からはほんわかゆったりしたハートウォーミング系の話を想像していたのですが、とんでもなかった。

キャラノベレーベル作品にしては随分毛色の違う作品でした。

純文に近いのではないかなあ。

決して気軽に読める話ではない。

読んでいて終始水の中でもがいているような息苦しさを感じました。

お陰で、読むのに随分時間がかかったし、引き摺られて気分も落ち込みました。

それが悪いことだとは言わないし、この作品の持ち味だとは思うけれど、表紙や粗筋から想像できる雰囲気とは乖離が激しくて、戸惑って読んだ人もいるのではないだろうか。

 

小説家の話なので、途中で「空想中の文章は空想の文字で書かれていて、実際のものとは違う」という内容の文章が出てきて、これは物書きあるあるではないかなとは思えました。

頭の中の物語を文字として起こすと、途端に形を変えてしまう。

自分が表現したかったことと実際の文章とのそれこそ「乖離」が激しい、このもどかしさ。

ひどく共感できました。

 

ただそのもどかしさが恋愛方面でも発揮されているので、読み進めるのは本当にしんどかったです。

周りからは結婚するだろうと思っていて、本人もそう思っていた彼と実際に結婚した彼との間で揺れ動く主人公。

いやまあ実際は、前者の彼は肝心な時の選択肢を間違えてしまったために選ばれることはなかったのですが、結局どっち選ぶねん! とツッコミ入れたくなるほど主人公の立場がはっきりしなかったので、もどかいしことこの上なかったです。

 

サブタイトルにあるご飯は美味しそうな描写がされていたのですが、如何せん他の雰囲気が重く辛いのでご飯シーンが印象に残りにくいのも難点。

勿体ない。

 

少し昔の時代の設定なので、ポケベルが出てきたり、パソコンが主流ではないところなどは、ノスタルジーな雰囲気で好きでした。

ただ本当に読む人を選ぶ作品だとは思います。

重いぞ、気をつけろ。

ハートウォーミングでラブラブな新婚夫婦は出てこないから。