いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

浅草和裁工房 花色衣:着物の問題承ります

 

浅草和裁工房 花色衣: 着物の問題承ります (小学館文庫 え 10-1 キャラブン!)
 

2018/04/16読了。

着物に絡んだミステリというのは以前どこかでお見かけしていたので、最初はデジャヴ? と思ってしまったのですが、読み始めると以前読んだ作品とはまた方向性が違って、これまた面白い。

こちらはキャラクター性や恋愛方面に重きを置いた作品でした。

 

ファッション誌から急に着物の雑誌の編集に異動となった主人公の女性編集者。

家庭の事情で着物が好きとは思えない中、異動前から手伝いで着物雑誌の取材に駆り出され、そこで出会ったのは、イケメン和裁士の男性。

事あるごとに着物着ませんかと押してくる彼に苦手意識やら反抗意識やらがあったのだが、段々と彼への気持ち、そして着物に対する思いも変化していき……という感じの物語。

着物絡みのミステリもあるよ。

 

ミステリ要素はあっさり薄味といった印象。

割とすぐ答えが出てしまうというか、どんでん返し的な展開がなく素直に進みますので、着物ミステリと銘打つなら、個人的にはもう一捻り欲しかったなとは思います。

ただ、この作品はミステリをメインで味わう作品ではない気がするので(個人的には前述通り恋愛がメインな印象)このくらいのあっさりテイストでよかった気もします。

 

あ、後半に出てくる「着物の化粧」は面白かったです。

まさかそうくるとは……そもそも、「そういうもの」が存在していることすら存じ上げませんでした。

(作中のものを検索かけたら、本当にあったのでびっくり!)

気になる方は、ぜひ本文を読んでみてください。

先に言っておきますが、着物に化粧する、ということではないですよ?

 

やはり何度も言っている通り、メインはやはり編集者と和裁士の恋愛模様

最初はあんなに毛嫌いしていたのに、どんどん着物への興味が増して行くのと同時に好意も増していく。

素直になるまでには大分時間がかかりましたが。

まあ和裁士の彼が如何せん(本人にはその気はないようなんだけど)彼女からしてみると本気度が伝わらないというか、チャらく見えるのが問題だったのでしょう。

気の毒なとしか言いようがないけれども。

 

途中でそんな彼視点の閑話が入るのも、いい補完になってよかったです。

だからこそ、彼に同情したと言いますか。

割と本人は最初から本気だったんですけどね……伝わらないという。

 

ただ彼女は乗り越えねばならない家族間の問題があります。

着物好きな祖母と着物嫌いな母の確執。

その確執をどう解決するかがクライマックスとなります。

孫の、娘の想いは2人に届くのか。

そして彼女と和裁士との恋の行方は。

最後はほっこりできて、ほんんり泣けるいいクライマックスになってますよ。

 

着物に関して丁寧に説明してくださっているので、具体的な図などがなくても分かりやすく、着物もいいかもと思える話でした。

着物に興味をひかれつつ、もどかしい2人の恋愛にニヤニヤもできて楽しい読書となりました。

ありがとうございました。