いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

名画の謎 陰謀の歴史篇

 

名画の謎 陰謀の歴史篇 (文春文庫)

名画の謎 陰謀の歴史篇 (文春文庫)

 

2018/03/19読了。

 

中野京子さんの説明や解釈は読んでいて本当に面白い。
端的でズバっとはっきり言ってくださるので、小気味良さもある。
宮部みゆきさんが解説を寄せてくださっているが、まさしく頷ける内容でした。


中野さんの絵画に向き合うための入り口に立たせてくれる、そのやり方が非常にうまい。
美術史や歴史(に限らずですが、この場ではそう言っておく)は学校の勉強のように「勉強させられる」のでは身に付かない。
でも、この本の内容は同じように絵や歴史の勉強をしている筈なのに、「させられている」感じはない。
寧ろもっと先が気になって、もっと詳細が知りたくなって「自分でも調べてみよう」という気にさえさせてくれる。
こういう勉強は自分の血肉になりやすい、そんな内容だったと思いますが、もう「それな!」と言いたくなる説得力でした。
だからこそ、「怖い絵展」もあんなに盛り上がったのだから(無論見に行きました)

 

閑話休題

 

今回は「陰謀の歴史」という括りでの絵画紹介。
歴史的事件の絵もさることながら、当時の価値観や日常、常識にも触れる話も出てくるので、思っていたより解釈の広い話が読めた気がします。
もっと貴族など上流階級の話が多いと思っていたら、庶民寄りな話もあったなと。

 

個人的には、ターナー「吹雪、アルプスを越えるハンニバルとその軍勢」、ジエローム「仮面舞踏会後の決闘」が特に印象的でした。
前者は圧倒的迫力、後者は敗者がピエロという点からどういう印象になるか、その解釈が非常に勉強になったので。

 

他にも本当に面白い話が盛りだくさん、絵は勿論フルカラー。
この贅沢な仕様を文庫本価格で買えるのは、ありがたいですよ。
興味ある方も、絵画にあまり興味ないという方も是非是非。
後者の人ほど、読めば読むほど中野さんマジックにはまる気がします。