いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※核心的なネタバレは極力避けてはいますが、苦手な方は予めご注意ください

出張料亭おりおり堂 ふっくらアラ煮と婚活ゾンビ

 

出張料亭おりおり堂 ふっくらアラ煮と婚活ゾンビ (中公文庫)
 

※先に謝っておきます。辛口です。

 

2018/03/15読了。

シリーズ3作目が書店で平積みしてあって面白そうだったので、ならまず1作目から読んでみようと手に取ってみたのですが……正直に申し上げて、主人公に難ありで読み辛い作品でした。
本当に申し訳ない。

 

登場する料理はどれも美味しそうだし、オーナーの人となりも凄く素敵だし、ヒーローの料理人は確かに惚れてしまいそうなイケメン。
ガチムチなオネエさま方は少々うるさいところはあるけれど、親しみやすさのあるオネエさま方で、作品に様々な色を足してくれたいいキャラたちでしたし。
料理、ヒーロー、サブキャラには特に問題ないのです。
寧ろいいなあと思えた、のですが。

 

難点があればただ一点、これが個人的には致命的。
主人公の女性が、徹頭徹尾好きになれなかった、これに尽きる。

 

何でしょう、主人公として褒める点が自分としては見つけられなかったのです。
味には聡いというのは長所と言えば長所ですが、この長所が話の中であまり活かされないので(何しろ彼女は料理ができない)死に設定になりつつある。
美味しく食べられる、その点さえあれば事足りる展開。
アラサー(30代)の割に軽いし、落ち着きがなく、目立った努力もせず、オネエさま方の雑談よりもうるさくて痛い恋愛妄想を繰り広げる始末。
そんな妄想につき合わされるこちらの身にもなれと言いたくなってしまいます。
表紙の絵から想像できる主人公のキャラとのギャップがありすぎて戸惑いました。
これならまだ絵がない方がよかった。

 

一応ヒーローとの恋愛が進む前提で書かれているのでしょうが、この先ヒーローが彼女に惚れたとして「え、彼女のどこを好きになったんだよ」と本気で問いつめたくなるほど、主人公に魅力がありませんでした。
最後の最後で重い過去を抱えているらしいヒーローのその重さを一緒に背負わせて的な発言も出てきますが、これまでの行動が行動なので「今更何言ってるんだおまえ」と遠い目になってしまいましたし。

 

いい作品だとは思うのです。
魅力もたくさんあります。
そう思うのですが、主人公という調味料一つで台無しになってしまった、そんな印象のある作品でした。
多分、アラサー経験者だと多かれ少なかれ主人公にいらっとしそうな気がします。