いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※ネタバレにはあまり配慮できてませんのでご注意を

奈良まちはじまり朝ごはん

 

奈良まちはじまり朝ごはん (スターツ出版文庫)

奈良まちはじまり朝ごはん (スターツ出版文庫)

 

 

2017/11/28読了。

出社初日に会社が倒産し無職になってしまった女性が、奈良町で日替わりの「朝ごはん」のみを提供する飲食店の店主と出会い、それが縁でその飲食店で働くことに。
そんな「朝ごはん」屋さんでの出来事を綴った物語。

 

一日の最初に食べる食事は総じて「朝ごはん」であり、温かい物を食べるべきという考え方は素敵だったし、サブキャラクターも素敵だったし(特に常連のお客様の園子ちゃんとか、オネエな和尚の和豆さんとか)出てくる料理のレシピもあったりと魅力的な部分はあったのですが、如何せん問題点の方が目に付きました。

 

まず、主人公が個人的にどうしても好きになれなかった点。
人の悩みや問題に無遠慮にずかずか入り込んできて、大抵失敗というか引っかき回したり余計ややこしくしたりと、主人公にあるまじき行動を取ることが多く、正直読んでいてイライラしました。
それで反省してくれるならよかったのですが、この人は懲りません。
本人もそういう点が問題だと自覚しているのに、喉元過ぎれば何とやら、次の話でまた同じように首を突っ込み同じような失敗を繰り返すという。
全く成長していない……

 

そう、この主人公、作中であまり成長しません。
読み手側を苛つかせるだけ苛つかせて終わるという。
感情移入できる部分がなくて非常に困りました。

 

そして、もう一つの難点は、「幽霊」の扱いについて。
この物語、途中で唐突に「幽霊」が登場します。
折角、飲食店を舞台にご飯で癒される話となっていくのかと思いきや、いきなりファンタジー要素がぶっこまれるという。
異色過ぎて、呆気にとられました。

 

これは別作品でも言ったことがあるのですが、オカルトネタ自体を毛嫌いしてのツッコミではないのです。
幽霊などのオカルト、ファンタジー要素を出すのであれば、世界観統一のために話の最初から登場させるべきで、例えばこの作品なら猫のナムを喋らせる、猫又にするなどの統一性を見せるべきでした。
日常ほっこり話と思いきや、途中でファンタジーを見せられても、違和感しかないのです。

 

最後の話ではなんと火の玉まで登場し、しかも「お盆の奈良にはこういうことも起きるさ」と某キャラに言わせる始末。
何と雑な説得。
それに「幽霊はいない」なんて言ってる人がばっちり幽霊見えてたり。

 

とにかく、ツッコミを入れ出すときりがないくらい、設定がガバガバと言いますか、世界観の統一がされていません。
主人公の性格と併せて、申し訳ないですけど読んでいてイライラしました。

 

折角素敵な題材なのに、勿体ないなあ。
設定をきっちり練ってから書けば、化けたでしょうに。
本当に残念でした。