いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※ネタバレにはあまり配慮できてませんのでご注意を

小説 劇場版 はいからさんが通る 前編 〜紅緒、花の17歳〜

 

 

2017/11/26読了。

 

劇場版「はいからさんが通る」前編を見て、久し振りに「はいからさんが通る」原作を読んだのですが、原作と劇場版では特に少尉=忍さんの性格が違うなと思いまして。

 

原作の少尉は、紅緒さんに最初はあまり好印象を持っていないんですよね。
そして自分が女性に人気があるというのを十分自覚していて、その点に自信すら持っている。
自信を持っているという点では大人であり、ちょっと鼻につく部分でもあり、自分は女性にもてるんだぜイエイ!となっている辺りは子供っぽくもある。
そんな彼が、最初はあまり好印象を持っていなかった紅緒に今まで出会ってきた女性とは違うところ、自分のテクニックが通じないところに次第に興味を持っていき惹かれていく……という感じだと自分は思っています。

 

一方、劇場版の少尉はというと、尺の都合もあるのでしょうが、初手から割と紅緒さんに好意的であり、王子様然としています。
嫌味な部分がないんですよね。
原作のラスト頃の少尉の雰囲気に近い気がします。
多分、こちらの方が現代の女子の好みに合っているのでしょう。

 

で、自分は原作の少尉(嫌味なところもある、子供っぽいところもある少尉)も大好きなんですけど、劇場版見た後だと、どうもあの王子然している少尉も好きだなと思いまして。

 

要は何が言いたいかと言いますと。

 

劇場版の少尉をもう一度しっかり味わいたくなった。

 

ということでノベライズを手に取った次第。
前置きが長い。

 

さて、こちらのノベライズ。
劇場版を本当にそのままノベライズ化してあります。
なので、特に小説のオリジナル要素というのはありません。

 

ただそれ故に弊害もあります。
後半はさておき、前半は台詞と台詞の間を説明的文章で繋いだだけという印象が強く、ノベライズとしてはいいかもしれませんが、小説として読むにしては少々お粗末。
丁寧な心理描写、丁寧な情景描写はあまりありません。
「小説」ではないんですよ。
読み物ならいい、粗筋をただ淡々となぞるだけが目的ならいい。
ただ「小説」として読んだ場合は、幼稚ですらある。
正直、そんな印象でした。

 

ただ少尉の異動が決まった辺りからは、その文章がある程度化けました。
ノベライズから小説寄りになったと言いますか。
特に少尉の心理描写が丁寧になりました。
何故最初からそうやらない! と思うほどに。
多分、書き手が少尉のこと好きなんだろうなと思います。
ノリノリで書いているのが手に取るように分かる。
(で、前半は乗り気でなく、作業として書いた印象が強い)

 

と、ノベライズとして難ありな文章ではありますが、劇場版の内容から逸脱していないので、純粋に劇場版を復習したいというだけなら十分だと思います。
劇場版のカットを使用した挿し絵も用意されています。
気に入った場面があるなら、読んでみてもいいかもしれません。

 

ちなみに、劇場版そのものの話の流れや少尉以外の原作との違いなどについては、この場では割愛します。
個人的には、色々原作のエピソードを合体させて、より女性がうっとりできる話にはなったなとは思っています。
特に酔った紅緒さんを背負って帰るあのシーンとかね、たまらなかったなあ。
後は……ぐふふ、気になる方は劇場へどうぞ。