いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※ネタバレにはあまり配慮できてませんのでご注意を

お弁当代行屋さんの届けもの

 

お弁当代行屋さんの届けもの (富士見L文庫)

お弁当代行屋さんの届けもの (富士見L文庫)

 

2017/10/28読了。

たまたま最後の話をバス待ちしていた雨のバス停で読んでいたんですが、その時までずっと我慢していた涙が我慢できなくなって、上を見上げないと堪えきれなったという貴重な(?)体験をさせていただきました。

全3話からなるこのお話、どの話も結構泣けるんですけど、最後の話は特に涙腺に来ました。

仲が良かった筈の夫婦に突然訪れた熟年離婚の危機。

その理由が、互いを思いやっての夫婦愛から来てただなんて……駄目ですわ、それだけで泣ける。

 

本題から逸れた。

一流のシェフ経験のある女性が彼女を慕う甥っ子(※血は繋がっていない)を助っ人に「お弁当」に関する難しい依頼をこなしていく物語。

卵・小麦・牛乳アレルギーのある息子を残して亡くなった母の代わりにお弁当を作って欲しい。

余命幾ばくもない祖父のため、10年前に亡くなった祖母のお弁当を再現してほしい。

そして、お花見弁当を自分が作ったように見せかけて作って欲しいと依頼した男性に訪れた熟年離婚の危機。

どれも通常では解決するのは難しいものばかりです。

無論、主人公たちはあっさり解決できる筈もなく、甥っ子の類まれなる探偵能力も活かして、大体1回は失敗しながら乗り越えていきます。

まあ、完全に解決しきらない話もあるのですが(現実はそう甘くない)

 

作者さまもアレルギーもち、体調不良だった経験がありということで、特に最初の話は実感が伴った話になっていた気がします。

依頼者の男性が抱えた本音の叫びがよりこちらの心に響くと言いますか。

お弁当は「料理だけでなく、作り手の思いも届けるもの」

それが強く感じられる作品だったと思います。

 

また主人公(といっていいのかな。視点がバラバラ変わるから、甥っ子が主人公とも取れるけど)のシェフの女性も色々抱えていますし、そんな彼女に好意を寄せている甥っ子との関係性も読んでいて気になるところでした。

シェフにも最後の最後のエピローグで、少し救いがあります。

これまで頑張ってきましたからね、作者さまからのご褒美でしょうか。

欲を言えば、甥っ子にも何かご褒美があればよかったのですが。

頑張れ、甥っ子!

 

お弁当が持つ力を信じてみたくなる、そんな作品でした。

結構心に来る話でもあるので、泣けますよ。

心もお腹いっぱいになりたい方、ぜひどうぞ。