いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

零の記憶 瞬く星と見えない絆

 

零の記憶 瞬く星と見えない絆 (SKYHIGH文庫)

零の記憶 瞬く星と見えない絆 (SKYHIGH文庫)

 

 

2017/07/08読了。

泣くまい泣くまいと、終盤はずっと涙を堪えていたのに、最後の最後で涙腺崩壊しました。

冒頭に終幕の話をするのもなんなんですが、あの終幕の展開はずるくて、本当にずるくて。

前作も終幕は主役2人の視点での話ではなくて、事件の真相が見えた後に見ると心揺さぶれるエピソードという作りではあったのですが、今作は前作以上でした。

あるキャラクターとの「一方的な」会話の後に導き出される答え。

その答えを見た時の自分の涙の出方が半端なかったです。

これも前作で思いましたが、ページの構成、文章の見せ方含めてうまいんですよね。

冒頭とラストのページのセリフ、言葉が毎回印象的です。

今作は特に最初と最後で同じ言葉を聞いても印象がガラリと変わります。

これは、上手いなあ。

本当に上手いなあ。

相も変わらず、今回も展開は非常に重いものですが、それでもその重さを最後まで残さない終わり方。

今作も非常にいい読後感でありました。

 

事件の内容に、ここまで殆ど触れていないのは、これ如何に。

 

閑話休題

 

前作から進級して、幽霊の記憶を見ることのできる女子高生の零ちゃん(某キャラの呼び方がうつった)は高校2年生に、人でなしから零ちゃんのお陰でどんどん人間味が増してきて真人間になりつつある(※但し零ちゃんに関わることに限る。その他の人間がどうなろうと知らん)先生は零ちゃんのクラスの担任にランクアップ。

登場キャラクター紹介にはいませんが、前作で登場した魅力的なサブキャラクターも続投で登場しつつ、2作目ということもあり、新キャラクターも登場。

特に零ちゃんの友達になろうとしているキャラクターが印象的です。

粗筋紹介だけでは女性かなと思っていたのですが(名前だけでは女性っぽかった)まさかのクラスメイトの男子学生とは。

これまた初期の頃の先生とはまた違う方向性の零ちゃんの苦手なタイプでして、パーソナルスペースが狭いキャラと言いますか。

また零ちゃんにとっては異性のキャラとということで、彼が近づく度に先生が複雑な心境に陥っているのは、見ていて非常に微笑ましかったです。

 

ただ、この作品は、こんな人懐こい明るいキャラクターにも試練をお与えになります。

彼もまた非常に重くて苦しい展開に巻き込まれます。

そんな彼のため、というだけではないですが、今回も殺人事件に零ちゃんと先生が首を突っ込んでいくことに。

 

前作は何だかんだで「零ちゃんと先生」という閉じた輪の中での話だったように思います。

零ちゃんが事件の関係者ということもあったからでしょうが。

でも今回は、零ちゃんも先生も事件の当事者や関係者ではありません(新キャラクターを内輪に含めるならば、まあ関係者ではあるけれど)

零ちゃんと先生だけで成り立っていた閉じた世界、閉じた輪が開かれて、もしくは外から刺激を受けて、前作とはまた違った2人を見られたし、展開もより広がったように感じました。

いい風穴が空いたなと。

閉じた世界からでは見られなかった2人の姿を見られて、こちらも興味深かったです。

それによって、2人のもどかしい恋愛模様にも深みが増したように思いますし。

先生はさておき、零ちゃんは段々自覚しつつありますしね。

前作では「父」として見ていた先生を男性として意識するようになっただけでも、個人的にはウハウハでした。

前作よりもニヤニヤできる場面が多数ですよ。

 

ミステリとしても、今回も非常に面白い作りでした。

今回は猟奇的な殺人事件になりますが、何故猟奇的に見える事件になってしまったのか。

その真相が見えた時に、自分の涙腺は一度決壊しかかりました。

先生と零ちゃんが、また違ったアプローチから事件に迫ってくれて、両者合わせると読者側はより真相が分かりやすくなってますし。

先生が犯人を追い詰めるシーンも必見です。

心理学バトル開幕という感じでした。

そう言えば先生は、微表情から感情を読み取れる達人でした。

今後もこれは事件解決に活きてきそうですね(次もありますよね、先生!)

 

心理学の万能性が若干気になりはしますが(今作も何度も失敗しているし、絶対ではないことは示唆されている)キャラクターものしてもミステリものとしても楽しめるのがいいです。

ミステリとしても、割と本格的なように思いますし。

全然ライトな感じでないキャラミステリです。

それに前述通り泣けますし、読後感もいいのです。

オススメでありますよ。

 

何だか今回は言葉が迸ったなあ。

愛が溢れております。

乱文失礼致しました。

次のシリーズ展開も楽しみにしております。

2人が無事に引っ付くまで読みたいのです。

にまにま。