いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※ネタバレにはあまり配慮できてませんのでご注意を

事件記者・星乃さやかの涙

 

事件記者・星乃さやかの涙 (PHP文芸文庫)

事件記者・星乃さやかの涙 (PHP文芸文庫)

 

 

2017/05/15読了。

「午前0時のラジオ局」で知られる現役アナウンサーな作者さまによる新作。

いつもはオカルトネタが絡むのですが、今回は幽霊も死神も出ません。

普段より大分ミステリ色が濃くなっています。

そして、主役の生命の危機度も上がっております。

3つの事件が出てきますが、基本的にさやか嬢は毎回生命の危機に遭遇してますから。

しかも、過去の出来事から、割と生に執着のない人だから困る。

 

主人公のさやか嬢は「午前0時のラジオ局」と同じラジオ局に勤める事件記者。

(なので、「午前0時のラジオ局」のキャラクターも一部登場はする)

現場に出向いて事件を取材するので、ラジオ局内の話がメインな「午前0時のラジオ局」とは違って、フィールドワーク(!)している感じですね。

違った視点からラジオのことを見られた気がします。

 

そんなさやか嬢ですが、何とも男勝りな車に乗り、すっぴんなお姿と男前な感じなのですが、如何せん涙もろい。

場合によっては犯人にまで感情移入して泣いてしまうほどの感激屋さん。

この外見と中身のギャップが大変可愛らしいキャラクターでした。

どの作品を読んでも思うのですが、このあたりのキャラクター造形は、やっぱり作者さまの優しい人となりが出てるんだろうなと思います。

 

そんな彼女ですが、本当に辛い過去もちでして、そこが本編を通じて段々明らかになってくるところも面白かったです。

冒頭にある事故の話も絡んできますしね、全体通して伏線になっていた感じがします。

 

事件に関しては、今回は3つ。

しかも最初の話は、途中までオカルト? と思わせる展開で驚きました。

オカルトなしと聞いていたのに、あれ? と。

スリードを誘う部分もあり、オカルト方面から一気にミステリに引き戻される感じ、癖になりそうでした。

この展開は、3つの話の中では個人的には一番好きでしたね。

がっつり推理できる話もあり、ミステリとしても十分楽しめる仕様で満足できました。

 

さやか嬢の過去に関わる話も最後に登場し、彼女が抱えていたトラウマも一応は克服する展開ではありますが、彼女に関わるある人物の消息がはっきりした訳ではなく、まだ謎も残っている感じがします。

(精一杯ネタバレに配慮した結果、あいまいな表現)

全てが全てきっちり明らかになった訳ではないので、続編があれば、このあたりも少し掘り下げた話が読みたいところ。

さやか嬢の周りも、1話目、2話目で仲良くなった人も集ってきましたし、キャラクター同士の繋がり、世界の広がりも見えてきたところなので、この人たちもより参加させた続編とか是非期待したいです。

 

でも、何より「午前0時のラジオ局」の続編も読みたいのですが。

出ないかなあ、続編。