読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

ひきこもりの弟だった

 

ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)

ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)

 

 

2017/04/14読了。

何とも不思議な作品でした。

出会ったその場でたった3項目のみ確認した後で結婚を約束。

その後、本当に結婚して新婚生活を始めた2人だが、2人は互いに秘密を抱えていた。

主人公の青年は、ひきこもりの兄を中心とした普通ではない家族がいた。

そして、妻となった千草には───

 

現在の千草との新婚生活と、過去のひきこもりの兄との生活と、交互に時間軸を行ったり来たりして作品が進んでいきます。

新婚生活の方はのんびりと、過去の兄との生活は幼い頃の話からどんどん速度を増して現在の時間軸へと話が展開していき、ついに千草と出会うシーンで追いつきます。

そこでようやく明かされる様々な伏線。

千草が主人公に確認した3項目目の内容は何なのか(これが明かされるまで随分じれったい思いを味わいます)

そして、千草と出会ったこの日は、主人公にとってどういう日だったのか。

それが分かった途端、予兆はあるにはあった穏やかな結婚生活が崩壊を起こします。

このカタルシスが凄かったなあ。

いや、予兆は本当にあったのです。

ただ、ここでこうも重くなるかと。

序盤はライトノベルのようなノリだったのに、最後でこうも化けるとは思いもしませんでした。

 

また、そこからの展開が予想を裏切ってきてびっくりしました。

問題を抱えていた2人がようやくそれを乗り越えて手に入れようとしていたある思い。

でも、その思いは……詳しく書くとネタバレになりすぎるので割愛しますが、まさかのラストに大抵の読者は「え!?」ってなると思います。

そこが妙にリアルよの。

確かに、ここで読者が容易に想像できる展開だったら、ご都合主義のような気もしますし。

でも、個人的にはその想像できる展開でのラストも見てみたかった気がしますし、ああジレンマ。

賛否の分かれるラストだとは思いますが、自分としてはこのラストもありだと思います。

前述通り、妙な現実感を突き付けられますが。

何にせよ、幸せであるならよいよ。

 

本当に本当に不思議な作品です。

どういったジャンルなのか説明がつかない作品。

気になる方は読んでみて判断してほしいです。

ただ、結構心えぐられる展開もありますので、心の弱った方にはオススメできないやも。

引きずられそうな気がしますので。

それだけの力を持った作品です。