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いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

純喫茶「一服堂」の四季

 

 

純喫茶「一服堂」の四季 (講談社文庫)

純喫茶「一服堂」の四季 (講談社文庫)

 

 

2017/04/24読了。

単行本の段階で気になっていたので(東川さんの作品は昔から好きなので)文庫化嬉しいです。

これはシリーズ化できない作品ではありましたが。

この1冊で完結しているからこそ、最後のオチというか、最後に明かされる壮大な伏線が見事なところもあるし。

 

極度の人見知りで接客には完全に不向き、でもいざ事件の話を聞くと安楽椅子探偵よろしくズバっと事件を解決してしまうバリスタの女性がいる喫茶店「一服堂」

そんな喫茶店に訪れたお客様がもたらす季節ごとの事件に関する連作短編集。

1話ごとに主役が切り替わり、前の話の主役が、次の話の主役を一服堂に連れてくるなり、謎解きの場面に居合わせるなりで、バトンパスのように話が繋がっていくところも面白い。

キャラが毎回立っていて、キャラ同士の掛け合いが楽しいのも東川さんらしさに溢れておりました。

 

ミステリ面では全部殺人事件かつ、割と猟奇的な話ばかりでしたが、何故猟奇的にならざるをえなかったのか、その殺人のトリックを知ると、その必然性が分かるのが見事でした。

特にラストのトリックはね、凄いものがありました。

密室ものだったんですけど、まさかそういうカラクリとは……常人だとまず思いつかないですぞ、度肝を抜かれましたよ。

 

でも一番の驚きはやはり連作短編集らしい全体を通してのミスリードといいますか、作品全体に隠されていた壮大な伏線が最後の話で回収される点。

確かに読んでいてところどころに違和感はあったのですが、その点に気付く頃には、伏線回収されているという。

うまいあな、これは是非実際読んでこの驚きを実感していただきたいところ。

東川節を楽しみつつ、ミステリとしての面白さ、カラクリが分かった時の爽快さも味わえる作品でありました。

いいエンターテインメントでした。