いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。※ネタバレにはあまり配慮できてませんのでご注意を

黒猫邸の晩餐会

 

黒猫邸の晩餐会 (講談社文庫)

黒猫邸の晩餐会 (講談社文庫)

 

 2017/01/17読了。

Twitterでお見かけして惹かれたので買ってみました。

ページ数的には決して長い話ではありませんが、二重三重に謎が張り巡らされていて最後まで楽しんで読むことができました。

最後の最後の解釈だけが自分的には少しもやっとしましたが、まあそれはさておき。

 

奨学金の理事長にお礼をと思い出向いた先にいたのは、穏やかな老婦人と彼女の旦那という割には妙に若い男性。

謎を解くのが得意な旦那のために謎ある話を聞かせて欲しいという老婦人の申し出通り、主人公はかつてあった不思議な話を聞かせてみると……

 

といった具合の、ミステリとしては安楽椅子探偵ものの日常ミステリ。

主人公と後に登場する強面青年の過去話を若い旦那は鮮やかに謎解き。

しかし、この話の謎解きもさることながら(ちゃんと読者側にも推理できる材料は全て提示されているので、意図していたかはさておき読者への挑戦状という形でも読める)一番の謎は、この夫婦というよりは祖母と孫といった見た目の2人。

老婦人が何故若い彼を「旦那」と思い込んでいるのか。

そして、その「旦那」を演じる彼の正体とは。

後半は、この2人を巡る謎を、前半で謎話を提供した主人公と強面青年が日本すら飛び出して解いていきます。

 

この2人の謎に前半の謎解き話も絡んでくるので、最終的にまとまって一つの結論に集約されていく様はお見事でありました。

この不思議な夫婦の最後が本当に美しくてですね。

絵画を見ているかのようでした。

ちょうど前半の謎も絵画絡みですから、いい塩梅か。

 

それだけに、旦那の正体に関する最後の最後の解釈にオカルト要素を残してしまったのが個人的には前述通り少しもやっとしました。

まあ、どちらにとっても大丈夫よというニュアンスではありましたが、強面青年の一言が余計と言えば余計、蛇足と言えば蛇足な感じがしました。

あくまで個人的にはですが。

そこは純粋に旦那を演じた彼が頑張ったからということにしておきましょうよ。