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いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

小暮写眞館I

小説(作家名ま行)

 

小暮写眞館I (新潮文庫nex)

小暮写眞館I (新潮文庫nex)

 

 

2017/01/12読了。

文庫版で4冊刊行とのこと。

いい機会なので手に取ってみました。

写真に纏わるちょっと不思議なミステリ。

でも1番不思議なのは、この写真館に住んでいる一家かもしれない。

店主である小暮さんが亡くなって空き家になった写真館をほぼそのままにして、小暮さんに縁もなければ、写真を稼業にしている訳でもない(今のところは)普通の一家がマイホームとして住むというところからして、普通ではない。

しかも、この一家には過去に家族を亡くしたことが一種のトラウマにもなっている。

これが後々影響してきそうだな。

ミステリの謎解きが、どうにもオカルト方向だから余計に。

 

今回は諸々の事情で主人公の手に渡った心霊写真に関わる謎解き話。

謎解きといっても「どうやって心霊写真を撮ったか」というトリックに関してはスルーの方向。

その写真が何故「心霊写真」となってしまったのか。

その写真に写り込んでしまった「女性の顔」これが誰なのかを、男子高校生が色々模索しながら真相に迫っていく……そんな話です。

結局、心霊写真そのものに関しては「世の中には不思議なことがある」エンドになりますので、その辺りも白黒はっきりして欲しい方、科学的解釈が欲しい方は、読むと少しもやっとするかもしれません。

そういうことじゃねえんだよ、この話はよ! と割り切れる方が読んだ方がいいかと。

 

ただ、この女性の顔の正体に迫るまでは、一部ホラーテイストがな部分もあって面白かったです。

別にがっつり幽霊やら怨霊やらが出て来る訳ではありませんが。

いつの世も怖いのは幽霊ではなく、生きている人間という。

今回は「宗教」が絡んできますので、そちらの方面が怖いというか。

後、古い町の閉鎖された雰囲気というか、そんな町に住む人々の昔ながらの凝り固まった考え方とか、そういうところにぞわっと恐ろしさを感じました。

表紙の雰囲気から癒しを求めて読み進めると、怖い目に遭うかもしれません。

 

それにしても、主人公は特別頭がいいという訳ではない設定なんだが、よくぞ彼女に辿り着いたと感心しきり。

彼が今後どう写真の謎に関わり、どう解決していくのか。

全てを明らかにするタイプのミステリではありませんが(心霊写真のトリックが明かされず、オカルト要素を残している辺りお察し)彼ならではの「解決」がどういう塩梅になるのか、今後も気になります。