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いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

鎌倉香房メモリーズ 4

 

鎌倉香房メモリーズ 4 (集英社オレンジ文庫)

鎌倉香房メモリーズ 4 (集英社オレンジ文庫)

 

 

2016/12/06読了。

前作でついに蓋を開けた(まあ以前から多少の伏線はあったにしろ、本格始動したのは前作)雪弥が抱えていた悩み、そして過去。

今回彼の出番は少ないにしろ、主軸は彼が今目の前にある壁をどう乗り越えていくかということだったように思います。

 

また、香乃にとっても試練の話でした。

自分の前から姿を消してしまった雪弥の本意が分からず、かといって自分がどう行動していいのかも分からず、随分と悩み苦しみますが、彼女の小さな小さな積み重ねの努力がついに……いやあ、本当に読んでいる側が苦しい話で、もう。

それが嫌という訳では全くなく、寧ろ先が気になってぐいぐい読めていけましたが、いつも以上に扱っているテーマが重いこともあり、軽い気持ちでは読めない話だったように思います。

主役2人が揃ってシリーズ最大の苦労を強いられますし。

 

扱っている話も、自殺未遂の話も出て来ますし、過去に親友を陥れた話など、聞いていて決して気持ちのいい話だけではないというのも、なかなか。

綺麗な話だけでは終わらないのがこのシリーズ。

この自殺未遂の話、一旦は解決したかに見えて実は、その前から色々張られていた伏線を回収してのどんでん返しは、日常ミステリとしても傑作だったように思います。

 

でも、決着の仕方は、優しいんですよね。

まるでふんわり包み込んでくれるお香の香りのように。

この苦しいほどの展開と、最後に訪れる優しい展開のミスマッチが見事に融合して素敵な世界観を作ってくれている今作、いやあ、読み応えがありました。

 

取り敢えず、紆余曲折ありましたが、無事に戻って来た彼に「おかえり」と言ってあげたいと思います。

ただあれだけ色々やって、何で互いにまだ足踏みなのかが疑問ではある。

お陰で、香乃ちゃんは、何処にいても幸せでいてくれたらいいと悟りだしてますが、大丈夫だろうか。

やっと壁を超えた2人なので、次があるなら、今度はほんわか優しいお話も読みたいものです。