いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法

 

 2016/10/25読了。

フィルム式のクラシックなカメラばかりを扱うカメラ屋さんの店主が、アルバイトの来夏(しかも店主の思い人)と一緒にカメラに関わる謎やトラブルを解決していくシリーズの2作目。

今回は前回より短めの話が話数的には多く収録されていますので、よりバリエーションの多い話が楽しめます。

短いと言いつつも、日常ミステリとしての謎解き要素は骨太な感じです。

 

カメラをどうしても売ってお金を手にしたい少女が抱える事情とは。

撮ってはいけないものを撮影したカメラが消失してしまった理由とは。

認知症のお客様が繰り返し言う日にちに隠された家族の絆。

分解されたカメラを3度も持ち込んだお客様が抱える悩みは。

不倫の現場を盗撮したいという女性に店長はどう対応するのか。

前作で登場したカメラ少年の初恋の行方。

そして、店主と来夏、2人に進展はあるのか。

 

このように、バリエーション多い話と合間にアルバイトの来夏の素質を採点に来る偏屈なおじいさんとの話もあります。

まあ、この方の正体は割と分かりやすいですけどね。

段々、来夏に対する容姿の点数が上がっていくのが笑えました。

あれかな、店長とこの方の好みはやっぱり似るのかなあ。

 

日常というかカメラミステリとしてどれも面白かったですが、個人的にはダゲレオタイプと遺影が関わって来るか話が興味深かったですね。

昔の人が「写真を撮られると魂が抜かれる」などと言った理由が、この話で納得できますので。

現代人にはない感覚だと実感。

 

でも、やはりラストの店長と来夏の話、そして店長の過去話が一番印象深いです。

来夏が抱えていた件は前作で明らかになっているので、ここから彼女がどう前に歩いていくか。

そして、店長がどういう行動に出るのか。

結局、全てが全て綺麗に纏まった訳ではありませんが、未来へ歩んでいける希望の持てる展開だったのでよかったです。

 

というところからの、ラストの話は、見事にミスリード

しかも、驚きが二段式できます。

ご都合主義と言われてしまえば終いですが、それでも、過去から繋がりがあったと思うとニヤニヤしてしまいますね。

作中に出て来たカメラのキーホルダーが、何気に伏線になってもいます。

過去との決別という意味でも。

そんな細かいところも楽しめる2作目でした。

続きもあるといいけれど、ある意味綺麗に終わっているしなあ。

でも、読みたいです。

出ないかしら。