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いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

キリンの子 鳥居歌集

文学(小説以外)

 

キリンの子 鳥居歌集

キリンの子 鳥居歌集

 

 

2016/06/25読了。

テレビで紹介されていた短歌が、あまりに衝撃的で、つい気になって書店を巡ったが、結局見つからず。

取り寄せて届くのに随分かかりました。

やっと読めました。

 

しかし、本当に衝撃的な歌が多いです。

特に母親と友人の自殺に関する歌は、読むだけで随分精神力を削られました。

悪い意味で、ではないです。

凝った言葉を使わず、分かりやすい言葉で、非常に衝撃的で生々しく、まるで実況中継のようなリアリティのある歌でした。

 

そう、誰でも分かる言葉で伝えてくるから、その衝撃の威力は凄まじいです。

防御できませんから。

言葉が難しい、という言い訳で逃げることができませんから。

どうやったら、僅か31音であんな目の前に光景の広がる歌を詠めるのだろうと驚くほど。

心が健康な時に読まないと、引きずられてしまいそうです。

あの世界観に。

事実、自分は読んだ後に暫く世界に浸りすぎて食欲失せましたし。

影響力凄まじい。

 

でも、この歌は、壮絶な人生を歩んできた彼女だから詠めるもので、普通の生活を(幸いなことに)送る自分たちでは、どうやったって描けないもの。

自分たちが無理に描いても、それは偽物でフィクションの作り物でしかなくなるもの。

彼女の歌は、歌という作り物の器の中でも確かに現実で、リアリティの溢れるノンフィクション。

だからこそ、こんなに心に響くのだろうなと思います。

 

暗い歌が多いですが、優しい歌もあります。

かつてあった家族と過ごした時を詠んだ歌は、優しい色で描かれています。

まあ過去のもの、今となっては失ってしまったが故に取り戻せない温かみではあるのですが。

だから、優しい歌でも、どうしても寂しさが滲み出てはしまいますが。

 

表題のキリンに関する歌も優しい系ですね。

優しい思い出の歌と、辛い現実の歌が同居し、でもどちらも同じ世界観に同居できている不思議な作品集でした。

ハマる人はハマると思います。

中毒性半端ない。

 

ただ本当に精神的に健康な時に読んだ方がいいかと。

ではないと…多分本当に引きずられます。

短歌でこの影響力…恐ろしい。