いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

竜の雨降る探偵社

竜の雨降る探偵社 (PHP文芸文庫)

竜の雨降る探偵社 (PHP文芸文庫)

2016/05/06読了。
戦後を迎えた昭和の時代、元神主が営む探偵社に持ち込まれた依頼を、建築系だったか不動産だかをやっている昔からの友人と共に解決していく連作短編集。

描写が美しいのは、相変わらずの三木さんワールド。
ただ友人が抱えている負い目のせいで、終始どこか鬱とした空気が漂う。
でも、それを浄化するように探偵の彼が、いつも微笑んでくれているので、それで随分救われてもいます。
良いコンビだと思う。

時折、事件解決の際に「どうやったんだ?」と思い場面もありましたが、最後に種明かしがあって、驚くと同時にすっきりした部分も。
普通、ミステリにあの要素は禁じ手なのですが(自分も普段なら、ああいうオチは嫌いだし納得できない)逆にありだと思わせるのは流石というほかない。
まあ、あの要素がなくても事件解決自体はできますし(時間短縮になったくらいか)トリックなどのメインに絡まないからでしょうな。
寧ろ、妙に納得できちゃいましたし。

別シリーズの某キャラも出てきて嬉しい展開もありましたし、三木さんワールドの美しさや雰囲気をしっかり堪能できる話でした。
雨の降る夜にゆったり読みたい作品かも。