いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

シャンプーと視線の先で〜夢解き美容師、葉所日陰〜

 

 

2017/07/10読了。

無口で不愛想、接客中も客と目を合わせない美容師さん。

そんな彼はシャンプー中に客の悩みが夢となって視える不思議な能力持ちだった。

見えた夢から客の悩みを読み解いてアドバイスをくれるが……

 

てっきり安楽椅子探偵タイプの日常ミステリだと思ったら、そこまでミステリ色は強くなかったかなと。

夢を感じ取れちゃう美容師さんも、彼の性格もあって、活動的に悩みを解決するというスタイルではなく、アドバイスをくれる程度。

そこから客自身が行動して、悩みが解決していく……そんな感じでした。

これは、ライトなミステリと言っていいのかどうなのか。

まあ、粗筋にもミステリという記載はなかったので、いいかもしれませんが。

 

一応ヒロインが(場合によっては主役ですが)いますが、基本的には毎回主役視点が切り替わるスタイル。

最終的には美容師さん自身の悩みというか過去が関わってきて、その解決にそのヒロインも手助けはします。

でも、何だろうなあ。

結局誰を主役に据えて読めばいいのか、個人的には少し分かり辛かった気がします。

というか、どのキャラも感情移入しにくい。

感情移入しようと頑張るけれど、移入できる前に次の話になって視点が別キャラに代わるから「え? え??」ってなっている間にその話が終わる……

まあただこんなおしゃれな美容院に通って自分磨きをしようとするタイプの人間(ヒロインがそれ)が個人的に苦手というのもあるかもしれませんが。

要はがっつり日常ミステリを期待して読んだらファンタジー寄りで、好きになれるタイプのキャラもいないから感情移入しづらく、自分にはちょっと合わない作品だったなと。

 

最後の美容師さん自身の話は興味深かったし、そこは楽しんで読めたんですけど。

いや、本当に最後の話は好きなんです。

ただこう全体的な雰囲気が合わないし、全く感情移入できないヒロインのせいで、どうしようもこうしようも。

申し訳ない。

奈良町ひとり陰陽師

 

奈良町ひとり陰陽師 (メディアワークス文庫)

奈良町ひとり陰陽師 (メディアワークス文庫)

 

 

2017/07/05読了。

冒頭に主人公の瞳が緑がかっているとの描写があり、「奈良だしご先祖様は彼だろう」と思っていたら、その後、がっつり名前が出てきて、出てきただけではあきたらず、まさかのご本人様降臨という展開。

ここまで来るのに僅か40ページ強。

申し訳ありませんが、爆笑してしまいました。

まさか、がっつり「彼」が絡んでくるとは思わなかったので。

ご先祖様の作品も好きなファンにはたまらない展開だったと思います。

連れ合いとして、「彼女」も出てきますしね。

これは本当に嬉しい展開でした。

 

ご先祖様が気になる方は、こちらを是非。

こちらはこちらで面白いのですよ。

 

 

本編に戻ろう。

 

奈良にも陰陽師がいる。

但し、今となっては一人きり。

そんな彼はお目付役の猫又や、あやかしが見えてしかも殴れる(!)というか、殴ってでも彼を守ろうとする幼なじみの女性と一緒に、今日もあやかし絡みの問題を解決しているのです。

ご先祖様の知恵と、時々本人の力も借りつつ。

 

京都ものを多数書かれている仲町さんの奈良もの。

やはり京都と違って、作品の中に漂う雰囲気も変わりますね。

これは実際、京都に行った時と奈良に行った時に自分が感じた印象の違いと似ていました。

どちらも都であったという歴史を抱えている点は同じなのですが、京都は洗練された厳しさというか、貴族的な感じが漂うんですよね。

庶民にはちょっと敷居が高い感。

空気がぴりっと硬くて涼しい感じ。

一方奈良は、京都よりも庶民に寄り添っているというか、牧歌的というか、誰でも受け入れてくれるほんわかした雰囲気があるというか。

貶してはいませんよ、念のため。

何だろう、春の穏やかな雰囲気、若葉が似合う場所、ふわっとした空気というか。

うまく伝わらない。

ともかく、「からくさ図書館来客簿」に比べると、実際の奈良のように、よりまったり春の陽だまりの中で読めるという感じでした。

面白さは変わらないのですけど。

 

話も奈良らしい展開が多数。

特に東大寺の「お水とり」の話が一番興味深かったです。

「青衣の女人」という単語は某歌で聞いてはいたのですが、具体的なことを全く知らずにいたので(その歌での創作だと思っていたくらい)その薀蓄が聞けただけでも嬉しいと言いますか。

お水とりを間近で見られたのも羨ましいですし。

奈良に所縁のある神様が登場したり、鹿に纏わる話が登場したり、奈良らしさがあちこちに溢れる魅力的なお話でした。

 

また主人公の実家が和菓子屋ということもあり、美味しそうな和菓子も登場して、読んでいて本当にお腹が空きました。

読む時は、餡子系のお菓子があると、うまく防御できると思います。

「からくさ〜」の時も思いましたが、食べ物も魅力的に描かれますよね。

あやかしものとしての面白さもありますが、植物や食べ物も丁寧に描かれるところが、また素敵なんですよね。

 

キャラクターも幼馴染み組がメインということで、和気藹々といった印象。

友達以上恋人未満な感じで、ニヤニヤもできました。

あやかしたち含めて、嫌なキャラクターがいませんし、完全悪役もいないので、最初から最後までほっこり読めます。

 

「南都〜」とはまた違った雰囲気の庶民的奈良もの、あやかしと和菓子を添えて。

是非ご賞味頂きたい作品です。

零の記憶 瞬く星と見えない絆

 

零の記憶 瞬く星と見えない絆 (SKYHIGH文庫)

零の記憶 瞬く星と見えない絆 (SKYHIGH文庫)

 

 

2017/07/08読了。

泣くまい泣くまいと、終盤はずっと涙を堪えていたのに、最後の最後で涙腺崩壊しました。

冒頭に終幕の話をするのもなんなんですが、あの終幕の展開はずるくて、本当にずるくて。

前作も終幕は主役2人の視点での話ではなくて、事件の真相が見えた後に見ると心揺さぶれるエピソードという作りではあったのですが、今作は前作以上でした。

あるキャラクターとの「一方的な」会話の後に導き出される答え。

その答えを見た時の自分の涙の出方が半端なかったです。

これも前作で思いましたが、ページの構成、文章の見せ方含めてうまいんですよね。

冒頭とラストのページのセリフ、言葉が毎回印象的です。

今作は特に最初と最後で同じ言葉を聞いても印象がガラリと変わります。

これは、上手いなあ。

本当に上手いなあ。

相も変わらず、今回も展開は非常に重いものですが、それでもその重さを最後まで残さない終わり方。

今作も非常にいい読後感でありました。

 

事件の内容に、ここまで殆ど触れていないのは、これ如何に。

 

閑話休題

 

前作から進級して、幽霊の記憶を見ることのできる女子高生の零ちゃん(某キャラの呼び方がうつった)は高校2年生に、人でなしから零ちゃんのお陰でどんどん人間味が増してきて真人間になりつつある(※但し零ちゃんに関わることに限る。その他の人間がどうなろうと知らん)先生は零ちゃんのクラスの担任にランクアップ。

登場キャラクター紹介にはいませんが、前作で登場した魅力的なサブキャラクターも続投で登場しつつ、2作目ということもあり、新キャラクターも登場。

特に零ちゃんの友達になろうとしているキャラクターが印象的です。

粗筋紹介だけでは女性かなと思っていたのですが(名前だけでは女性っぽかった)まさかのクラスメイトの男子学生とは。

これまた初期の頃の先生とはまた違う方向性の零ちゃんの苦手なタイプでして、パーソナルスペースが狭いキャラと言いますか。

また零ちゃんにとっては異性のキャラとということで、彼が近づく度に先生が複雑な心境に陥っているのは、見ていて非常に微笑ましかったです。

 

ただ、この作品は、こんな人懐こい明るいキャラクターにも試練をお与えになります。

彼もまた非常に重くて苦しい展開に巻き込まれます。

そんな彼のため、というだけではないですが、今回も殺人事件に零ちゃんと先生が首を突っ込んでいくことに。

 

前作は何だかんだで「零ちゃんと先生」という閉じた輪の中での話だったように思います。

零ちゃんが事件の関係者ということもあったからでしょうが。

でも今回は、零ちゃんも先生も事件の当事者や関係者ではありません(新キャラクターを内輪に含めるならば、まあ関係者ではあるけれど)

零ちゃんと先生だけで成り立っていた閉じた世界、閉じた輪が開かれて、もしくは外から刺激を受けて、前作とはまた違った2人を見られたし、展開もより広がったように感じました。

いい風穴が空いたなと。

閉じた世界からでは見られなかった2人の姿を見られて、こちらも興味深かったです。

それによって、2人のもどかしい恋愛模様にも深みが増したように思いますし。

先生はさておき、零ちゃんは段々自覚しつつありますしね。

前作では「父」として見ていた先生を男性として意識するようになっただけでも、個人的にはウハウハでした。

前作よりもニヤニヤできる場面が多数ですよ。

 

ミステリとしても、今回も非常に面白い作りでした。

今回は猟奇的な殺人事件になりますが、何故猟奇的に見える事件になってしまったのか。

その真相が見えた時に、自分の涙腺は一度決壊しかかりました。

先生と零ちゃんが、また違ったアプローチから事件に迫ってくれて、両者合わせると読者側はより真相が分かりやすくなってますし。

先生が犯人を追い詰めるシーンも必見です。

心理学バトル開幕という感じでした。

そう言えば先生は、微表情から感情を読み取れる達人でした。

今後もこれは事件解決に活きてきそうですね(次もありますよね、先生!)

 

心理学の万能性が若干気になりはしますが(今作も何度も失敗しているし、絶対ではないことは示唆されている)キャラクターものしてもミステリものとしても楽しめるのがいいです。

ミステリとしても、割と本格的なように思いますし。

全然ライトな感じでないキャラミステリです。

それに前述通り泣けますし、読後感もいいのです。

オススメでありますよ。

 

何だか今回は言葉が迸ったなあ。

愛が溢れております。

乱文失礼致しました。

次のシリーズ展開も楽しみにしております。

2人が無事に引っ付くまで読みたいのです。

にまにま。

ドイツェン宮廷楽団譜 嘘つき恋人セレナーデ

 

ドイツェン宮廷楽団譜 嘘つき恋人セレナーデ (角川ビーンズ文庫)

ドイツェン宮廷楽団譜 嘘つき恋人セレナーデ (角川ビーンズ文庫)

 

 

2017/07/02読了。

続編を熱望していたので、2作目を読めたこと、本当に嬉しいです。

演奏シーンが今回も非常に印象的でした。

指揮者及び演奏者の曲の解釈がストーリー仕立てで登場し、実際の曲が分からなくても雰囲気が伝わる世界。

曲を文字で読んでいる筈なのに、ビジュアルで見ている気になる不思議な感覚。

どちらも「聴覚」で演奏を捉えてはいないのに。

 

トーリーから話が逸れてしまった気がする。

今回は、新設される第三楽団の選抜を背景に、主役2人は新キャラクターである男性指揮者を交えての三角関係を展開。

婚約破棄騒動が治まったと思ったらこれか。

しかもこの新キャラが音楽家としても恋愛としてもアルベルトのライバルになってしまうという。

 

ミレアの暴走っぷりは前回と変わらずなので、さておくとして。

(聖夜の天使の正体を知ってますから、その点では多少大人しくなった……気がしないでもない)

今回はアルベルトが想像以上に恋愛に関してヘタレだったせいで、非常に話が抉れました。

お前が最初から素直になっていれば、色々すんなりいったであろうに。

楽団員の皆さんに冷ややかな目で見られるシーンが実際にありましたが、読んでいてこちらも呆れること多数。

ただ、開き直ってからの行動の速さには驚かされました。

ラストでは、気付けば外堀が埋まっているという。

恐るべし、恋愛ヘタレから別の何かに覚醒したアルベルト。

 

その割に、結局今回もキスはお預けでしたね、この2人。

 

主役2人の陰で、1巻からいい働きをしてくれていた某サブキャラクターの恋愛にも進展が。

こちらも第三楽団に関しての展開も絡めて見どころになっています。

そうだった、こちらにも天才がいましたね。

 

天才である主役2人があっさり勝つ展開ではなく、苦難や挫折を味わいながら成長していくところが、個人的には凄く好きです。

最近は「主人公ツエー!」で無双する話も多いですからね。

今回の結果に関しては、今後の2人が音楽家として成長していくには必要なステップだったと思いますし。

特にミレアがここからまたどう化けていくのか、引き続き、その様子を見ていきたいものです。

 

今回もオーケストラものとしても、恋愛ものとしても非常に楽しめる素敵な作品でした。

2人の恋愛も始まったばかり。

ヘタレなアルベルトが、変な方向に考えが暴走するミレアに振り回される様も、もっと見たいので、是非とも3作、4作と続いていって欲しい作品です。

そう、今回もコメディ部分も爆笑ものでしたので。

コントを見ているようでした。

このシリアスとコメディの塩梅も絶妙なんですよね。

本当に大好きな作品です。

引き続き応援しております!

おいしいベランダ。3月の桜を待つテーブル

 

おいしいベランダ。 3月の桜を待つテーブル (富士見L文庫)

おいしいベランダ。 3月の桜を待つテーブル (富士見L文庫)

 

 

2017/06/27読了。

「おいしいベランダ。」3作目、本当に嬉しいです。

両想いになってからも、この2人、というか特に亜潟さんの方が面倒くさい。

朴念仁にも程がある。

 

今回は年末から2月末くらいにかけての冬のお話。

クリスマス、年末年始のイベントに何故かおまけの人物が引っ付いてくるお2人。

なかなか2人きりになれませんなあ。

しかもバレンタインは華麗にスルー。

残念!

 

しかも今回はまもりの家族が続々登場。

高校受験真っ只中の弟くんがまもりの所に転がりこんできて、そちらの件は亜潟さんが何だかんだで丸め込んで(?)どうにかなったかと思いきや、今度はラスボスまもりの母親が抜き打ち訪問。

ついに亜潟さんとのお付き合いがばれて大騒動に。

そりゃそうだ。

何せ年の差が年の差ですからねえ。

 

ただ母親が反対したというか反発した本当の理由が後ほど判明しますが、これがまた「まもりの親だなあ」という理由で爆笑しました。

一筋縄ではいかないあたりが流石というか何というか。

結局、まもりの親への面通し+交際の許可をいただくという結果と相成り、終わってみれば外堀を埋めた亜潟さん、やったね。

 

読んでいて驚いたのは、亜潟さんがこちらが想像していた以上に、ちゃんとまもりのことを好きだった点。

いやあ、大人の余裕かましてかどうかは分かりませんが、あんまり気持ちを言葉にしない人なんで。

まもりの親の前で猫被ってクッサイ台詞を吐いていたのをカウントしていいのかどうかは悩ましいところですが、さらっと「心の中では(好きだと)百万回思っていても伝わっていなければ云々」なんてくだりが出てきた時には度肝を抜かれました。

好き度は案外まもりより亜潟さんの方が上なんではと思った次第。

終わってみれば、ちゃんと前回よりバカップルしている2人でよかったです、本当に。

 

更に続きがくるのであれば、今回ちょこっとだけ話に出てきた亜潟さんの両親とか兄弟が出てくるといいなと思っているのですが。

後、公式ホームページで掲載される番外編の形でいいので、バレンタインな2人も読んでみたいです。

今回は正月が過ぎたと思ったら、気付けば2月末に飛んでたんで。

バレンタイン読みたいです、先生。

零の記憶

 

零の記憶 (SKYHIGH文庫)

零の記憶 (SKYHIGH文庫)

 

 

2017/06/13読了。

実は新刊の方が気になったのですが2作目だったということで、先に1作目を手に取ってみました。

ちなみに気になった2作目の方はこちら。

零の記憶 瞬く星と見えない絆 (SKYHIGH文庫)

零の記憶 瞬く星と見えない絆 (SKYHIGH文庫)

 

購入済みなので、いずれ読みます。

まあそれはさておき。 

 

(度なし)眼鏡を取ると霊が保持する記憶が見えてしまうという女子高生と、人に興味が持てない形はちゃんと先生はしているが、中身は人間失格な感じの高校教師が、自殺した女子高生の謎に迫るミステリ。

ダブル主人公な作りで、話は女子高生視点と高校教師視点が切り替わる形で進んでいきます。

 

この高校教師が最初は好きではないタイプでして。

信念なく何事も漫然と無難にこなせればいい、女性に対してもひどくて、気軽に寝られればいい、束縛する相手は嫌い、そういう相手は酷い手を使ってフるという何とも屑野郎な奴でして。

でしたのですが、まあ作中で化けた化けた。

前述の霊の記憶が見える女子高生と出会ったことで、彼が一番作中で成長します。

もう別人かというくらいの成長ぶり。

成長というか更生というか。

途中で彼の屑っぷり(ひどい言い様)には実はトラウマ的理由があったのが明かされますが、その点を女子高生が正しく理解していたところも大きかったのでしょう。

恋すると人って変わりますね。

先生と女子高生の恋って、それはそれで犯罪臭がしますが。

 

女子高生の方もなかなかハードな展開を余儀なくされます。

自殺した女子高生は、彼女の中学時代の親友。

しかも喧嘩別れしたままだったという。

親友が自殺したことが信じられず、多少危ない橋を渡ってでも、真相に迫ろうとします。

それで高校教師の彼が非常にハラハラする羽目になりますが、それはまあ別のお話。

金髪で男物のネクタイをし、男性言葉をしゃべり、人を遠ざけている彼女ですが、実際の彼女は本当にいい子。

真相に迫れば迫るほど、つらい現実を知る羽目にもなりますが、それでも親友を信じて健気に頑張ります。

見た目や喋りからだけでは想像できないほど、本当にいい子でした。

なのに、現実は本当につらいものでしたが。

明かされた真相も、彼女にとってはきつい展開でしたし。

結局、彼女は色々なものを失うことになりますからね。

 

でも、そんな彼女も、彼女を理解しよう、守ろうとする高校教師と出会うことで変わっていきます。

変わりっぷりは高校教師ほどではありませんが、彼女もまた親友の死を乗り越えて、前に進むことができたと思います。

いいコンビだと思うけどなあ。

深入りしすぎて共依存にならないことを祈るばかりだが。

 

キャラクターノベルのレーベルから出てると思いますので、キャラものではありますが、展開は結構重めです。

気軽に読める感じではありませんが、霊の記憶を見るという設定(見るだけだから、除霊などはできない)そこをどう解釈するかという要素も絡めて、うまい具合にミステリとして仕上げていたと思います。

続刊もまた重そうな展開ですが、楽しみです。

猫と透さん、拾いましたー彼らはソファで謎を解くー

 

 

2017/06/01読了。

同棲していた恋人とも別れ、仕事も失った主人公の女性は、土砂降りの雨の中、青年と猫を拾う。

名前しか名乗らなかった青年は、金は出すから、主人公の家に置いてくれないかと持ち掛ける。

こうして、奇妙な同居生活が始まった訳だが、失業中の彼女の元にトラブルが飛び込んできて……

 

家事もこなせるイケメンを拾うというのは、某植物的図鑑を彷彿とさせる展開ですが、こちらは日常ミステリ系。

主人公の女性が抱えてくる問題を、安楽椅子探偵よろしく彼と猫が解決していきます。

本当に猫が活躍しますから。

「アガサ」という某作家の名前を付けられている猫ですが、この猫が謎解きに関するヒントをぽんっと出してきますから。

猫又なんかじゃないだろうか。

 

日常ミステリではありますが、ラストの話は脅迫状ネタになりますので、一気に物騒な展開になります。

主人公は別れた男性に一度ストーカーされてますし。

果たして脅迫状を出してきた相手は誰なのか。

犯人のあぶり出しに関しても、アガサがいい働きをしてくれますよ。

猫凄い。

 

同棲していたら、どうしても恋愛方面も気になるところですが、今回はそちらには大きな進展はなし。

男性側の方にはちょっと気持ちが見えたような気がしますが。

ただ如何せん、彼が何者なのかは今回ではほぼ明かされないので、彼の本心ともども気になるところです。

二人と一匹が一緒にいられる時間は無限ではないし、いつか終わりが来るのでしょうが、そのラストまで是非シリーズとして読みたいなと思う次第。

せめて、彼「透さん」が何者かは少なくとも明かしていただきたい。

シリーズ展開を切に望みます。

 

この方の作品、毎回読んで毎回当たりなので、シリーズ化期待してるんですけどね。

毎回単発なのが悔やまれる。

どうか続きが読めますように。