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いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

小暮写眞館II: 世界の縁側

小説(作家名ま行)

 

小暮写眞館II: 世界の縁側 (新潮文庫nex)

小暮写眞館II: 世界の縁側 (新潮文庫nex)

 

 

2017/01/16読了。

心霊やら念写やらの写真が「どうしてそういう写真になったのか」を高校生たちが解明していくミステリのシリーズもの。

あくまで明らかになるのは「どうして」であって、「どうやって」ではないので、写真のトリックはガン無視です。

まったく明らかになりません。

物理的な話ではなく心理的な話。

心霊やら念写やらが罷り通る話だということを念頭に置いて読んでくださいと、これから読む方へ念を押す。

 

今回は結婚が破談になる前に撮られた泣く家族の写った念写写真。

新しいヒロインも登場し、女性の活躍が期待目覚ましい今回。

また揃って何か腹に抱えているという。

 

特に不動産の某女史が本当にやばい。

彼女が抱えている案件、軽い物ではない筈だ。

今回はその片鱗が見えただけだが、続きではきっと明らかになるのだろう。

放っておくと写真より儚い存在になりそうで怖いです彼女は。

現実にこんな人いると面倒で仕方ないと思いますが。

 

また主人公家族の危うい関係も見え隠れ。

弟くんの風邪騒動が何かのフラグに見えて仕方がない。

前述の彼女も解決しないととは思うが、主人公はまず自分の家族の何処か漂う歪さの改善が求められら気がします。

どう着地させるのだろうか、気になります。

小暮写眞館I

小説(作家名ま行)

 

小暮写眞館I (新潮文庫nex)

小暮写眞館I (新潮文庫nex)

 

 

2017/01/12読了。

文庫版で4冊刊行とのこと。

いい機会なので手に取ってみました。

写真に纏わるちょっと不思議なミステリ。

でも1番不思議なのは、この写真館に住んでいる一家かもしれない。

店主である小暮さんが亡くなって空き家になった写真館をほぼそのままにして、小暮さんに縁もなければ、写真を稼業にしている訳でもない(今のところは)普通の一家がマイホームとして住むというところからして、普通ではない。

しかも、この一家には過去に家族を亡くしたことが一種のトラウマにもなっている。

これが後々影響してきそうだな。

ミステリの謎解きが、どうにもオカルト方向だから余計に。

 

今回は諸々の事情で主人公の手に渡った心霊写真に関わる謎解き話。

謎解きといっても「どうやって心霊写真を撮ったか」というトリックに関してはスルーの方向。

その写真が何故「心霊写真」となってしまったのか。

その写真に写り込んでしまった「女性の顔」これが誰なのかを、男子高校生が色々模索しながら真相に迫っていく……そんな話です。

結局、心霊写真そのものに関しては「世の中には不思議なことがある」エンドになりますので、その辺りも白黒はっきりして欲しい方、科学的解釈が欲しい方は、読むと少しもやっとするかもしれません。

そういうことじゃねえんだよ、この話はよ! と割り切れる方が読んだ方がいいかと。

 

ただ、この女性の顔の正体に迫るまでは、一部ホラーテイストがな部分もあって面白かったです。

別にがっつり幽霊やら怨霊やらが出て来る訳ではありませんが。

いつの世も怖いのは幽霊ではなく、生きている人間という。

今回は「宗教」が絡んできますので、そちらの方面が怖いというか。

後、古い町の閉鎖された雰囲気というか、そんな町に住む人々の昔ながらの凝り固まった考え方とか、そういうところにぞわっと恐ろしさを感じました。

表紙の雰囲気から癒しを求めて読み進めると、怖い目に遭うかもしれません。

 

それにしても、主人公は特別頭がいいという訳ではない設定なんだが、よくぞ彼女に辿り着いたと感心しきり。

彼が今後どう写真の謎に関わり、どう解決していくのか。

全てを明らかにするタイプのミステリではありませんが(心霊写真のトリックが明かされず、オカルト要素を残している辺りお察し)彼ならではの「解決」がどういう塩梅になるのか、今後も気になります。

化学探偵Mr.キュリー5

小説(作家名か行)

 

化学探偵Mr.キュリー5 (中公文庫)

化学探偵Mr.キュリー5 (中公文庫)

 

 

2017/01/11読了。

確か前作は、沖野先生と舞衣ちゃんがメインの話より、主役は別の第三者で、その第三者から見た2人といった印象が強く、いつもとテイストが違った印象を受けましたが、今回は従来のスタイルに戻った印象。

やっぱり舞衣ちゃんがトラブルを持ち込んで、沖野先生が嫌々ながらも巻き込まれていく話の方が個人的には落ち着きますね。

沖野先生のツンデレが見られて嬉しいのなんのって。

 

沖野先生が舞衣ちゃんに巻き込まれるようになってから1年。

今回も先生は、化学サークルの騒動に首を突っ込んだり(不本意)舞衣ちゃんの友人の異変に気付いて動いたり(不本意)学生を狙う犯人を探したり(不本意)不登校になった少年を引っ張り出す作戦に巻き込まれたり(本当に不本意)と大忙し。

 

極め付けは、最後のお話、定番の2人で閉じ込められた部屋からの脱出劇。

ただの部屋ならよかったのですが、場所は理学部の冷蔵室。

抜け出すのに使えそうな薬品はあったものの、劣化していたり、種類が少なかったりと難易度高め。

しかも、冷蔵室だから寒いですしね。

 

そんな中、寒いから2人で体寄せ合い、なんていう甘い展開にならず、寧ろ舞衣ちゃんは尿意との戦いという下手するとコメディテイストの方向に走っていってしまって、緊迫した状況だったのに、妙にコミカルでした。

この時の2人の会話がまたコントのようでしたし。

でも、こんな打ち解けた2人の会話を見られただけでも感無量でした。

 

2人の関係性も少し変化。

(本人が意図していなかったものだが)合コンに行ったという舞衣ちゃんに複雑な心境の沖野先生。

舞衣ちゃんは舞衣ちゃんで、冷蔵室からの脱出後、先生を熱っぽい目で見るようになりましたし(ただし無自覚)

化学を用いたミステリとしても充分面白いですが、この2人のもどかしい関係性も気になるところ。

今後の展開がより楽しみになりました。

早く2人のとも自覚してくれ! と思ってしまいます。

 

余談。

自分も化学関係の仕事してますが、匂いで大体何の物質か分かるというのは、化学あるあるですよね。

某シーンで出てきて、ついつい頷いてしまいました。

ただし、劇薬の場合は大変なことになるので、要注意ですが。

下手すると鼻血出る。

教科書が教えてくれない「奈良」歴史の謎

歴史

 

 

2017/01/06読了。

久し振りに図書館で小説以外を借りてきました。

昔は寧ろこういう本ばかり読んでいたのになあ。

 

奈良(というか「大和」と言った方が分かりやすいか)の古代史を解説した一冊。

邪馬台国時代から平城京仏教国家になるまでを割と奈良に対して第三者な視点で書いていたように思います。

寧ろ厳しい目と言ってもいいかもしれません。

現在、やや優勢になってきている邪馬台国畿内説を「あり得ない」とバッサリ切って捨てたのは好意的でした。

これがまた説得力ある解釈だったんですよね。

個人的に漠然と抱いていた感覚を的確に言い表してくれたというのもあって。

実際に纒向あたりを散策した時に抱いた感覚が、まさにここに書かれていたというか。

個人的に抱いている邪馬台国と、文化の雰囲気がが違うんだよな、大和は。

お陰で随分すっきりしました。

 

他にも聖徳太子の人物像や実在していたかについて、万葉集の変遷についてなど、目から鱗の話が多く、大変興味深く楽しんで読めた一冊でした。

通説を否定しながら、ちゃんと根拠を挙げてくださっているのも好印象。

前述しましたが、奈良を何でも肯定するのではなく、客観的に否定も交えて冷静に解説してくださっていた印象を受けました。

説明も丁寧で分かりやすかったですしね。

奈良の古代史が気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。

王女フェリの幸せな試練 祝福のベールアップ

小説(作家名た行)

 

王女フェリの幸せな試練 祝福のベールアップ (角川ビーンズ文庫)

王女フェリの幸せな試練 祝福のベールアップ (角川ビーンズ文庫)

 

 

2017/01/06読了。

瞳を見た者を魅了してしまう魔法をかけられた引き篭もり王女の恋と成長の物語完結編。

サブキャラの恋模様も乞うご期待。

 

新キャラの金髪王子が、これまた何とも濃いキャラで、ベル王子の恋敵でもあり政敵でもあり、フェリ王女のドレスコンテストでのライバルでもあるという……もう全部彼一人でいいんじゃないかなというくらいのてんこ盛り設定。

でも、彼がいい動きをしてくれたので、物語がよりスリリングになりました。

最終的には、いいキャラに落ち着きましたし。

おいしいところを持っていくなあ。

 

主役2人のもどかしい恋模様も見ものですが、そちらより気になったのは、従者ルディの恋の行方。

これが両方互いのことが好きなのに上手くいかない系という。

主役2人の動向より気になってしまいました。

こちらも最終的に、フェリと例の金髪王子のおかげで大団円を迎えています。

お幸せに、2人とも。

欲をいえば、今回あまり出番のなかったもう1人の従者の方も恋の結末見たかったけど。

 

主役2人と王女の護衛も交えた恋模様も、今回で決着。

王女の鈍さには途中頭を抱えましたが、やはり切羽詰まった時に本音が出ますね。

大観衆を前にしての大告白、心震えました。

 

王子のおかげで、王女はサブタイトル通りベールを外す決意もでき、精神面でもより成長が見られた最終巻。 

巻末には後日談も収録されて豪華です。

幸せいっぱいなラストでよかったです。

今回無事に両想いになれたカップルたち、末長く爆発してください!

お任せ! 数学屋さん3

小説(作家名ま行)

 

お任せ!  数学屋さん3

お任せ! 数学屋さん3

 

 

2017/01/03読了。

2巻に続いて、こちらも図書館で借りてきました。

これで完結かな。

中学三年生になった遥と宙。

彼らの遠距離な恋愛(?)は果たしてどうなるのか。

 

冒頭から遥ではない女の子キャラと宙くんの話が出てきて戸惑っていたところに、突然出てくる三角関係、そして宙くんの過去話。

今までも案外重いテーマを扱ってきましたが、今回もジュブナイルな雰囲気の作品にしては重めの話だったように思います。

宙くんの掘り下げ話でしたし。

 

また、全体を通して「恋愛」を主軸に置いた話でもありました。

こういう感情の話を数学で説明できるのか。

そもそも、数学で何でも解決できるのか。

「数学屋」のあり方についても考えさせられる話で、深かったように思います。

その分、数学の内容も結構難しいことになっていますが。

高校生レベルが読まないと大変な気がします。

考えるな、感じろな状態になりかねない。

 

宙くんと親しげな新キャラの女子の狙いは。

宙くんが遥についていた「嘘」とは何か。

夏でも宙くんが黒い服を着ていた理由とは。

そして、遥と宙、この2人の「恋」はどうなるのか。

重い展開を挟みながら、過去の回想も挟みながら進む物語の先は、悲観的なものではなく、苦しい過去を乗り越えての希望のエンディングだったように思います。

何より、数学ですぱっと結論を出しつつも、自分の感情に関しては言葉にすることがあまりなかった宙くんが自分の気持ちを、遥への想いを伝えただけでも、大きな成長でした。

黒服からの卒業も感動的でしたし。

 

まさか、こんな雰囲気で終わるとは、1作目からは想像できませんでしたが、数学嫌いだった遥の成長、前述通りの宙くんの成長も見られて、満足な最後でした。

惜しむらくは、今回はあまり「数学屋」としての活躍が見られなかった件。

宙くんの過去や遥との恋に重きが置かれていたので仕方ないのですが、1巻のようにどんどん皆の悩みを数学で解決する話ももっと読みたかったですね。

そういう意味では、彼らの高校に入ってからの物語もいつか読めたらなと思います。

視えるふたりの恋愛相談室

小説(作家名あ行)

 

視えるふたりの恋愛相談室 (角川ビーンズ文庫)

視えるふたりの恋愛相談室 (角川ビーンズ文庫)

 

 

2017/01/02読了。

幽霊が見えて会話できる体質の女子高生が、人の縁を色のついた糸で見えるスクールカウンセラーの男性教諭と恋愛に関するトラブルを解決していく物語。

てっきりこの教諭と恋愛フラグを立てるのかと思いきや、クラスメイトで最初は別の子が好きだった男子生徒の方と最終的にフラグを立てて終わったので、個人的には少しもやっとしてしまいました。

せめて三角関係くらいにはして欲しかった。

 

主人公の女子高生が幽霊の見える体質ではあるのですが、物語後半くらいまでは、この能力を持たせていたメリットがストーリー上特になく、要らない設定ではと思い始めたところに、ようやく登場。

まさか死んだ人とも縁というか運命の糸が繋がっているとは思いもせず。

しかし、どうせ幽霊が見えるなら、もっと恋愛お悩み解決にその能力を活かしても良かったような気がします。

本当に途中までは死んだ設定でしたからねえ。

幽霊とは世間話くらいしかしてなかったし。

 

エブリスタ出ということで、個人的にはエブリスタ作品に抱いている印象(ローティーン向けで物語の雰囲気も少し幼い感じのイメージ)から脱出できていない感じの物語でした。

主人公一人称で進む文章、中学生設定でもいける物語、もう一捻り何か欲しかったような気がします。

運命の糸が見えるという展開はユニークで面白かったですけれど。

それとも単に読み手の自分が年食っているからそう感じたのか。

うーん……