いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

「神社」で読み解く日本史の謎

 

「神社」で読み解く日本史の謎 (PHP文庫)

「神社」で読み解く日本史の謎 (PHP文庫)

 

 

2017/10/16読了。

伊勢神宮厳島神社出雲大社靖国神社などの有名どころの神社に纏わる歴史のあれこれを全20章+コラム(簡単な紹介)13章に渡って紹介した1冊。

自分も訪れたことのある神社で、実は昔こんな歴史的事件が起きたとか、危機的状況に陥ったとかが分かるのがいいですね。

実際にその神社に訪れる前に、こういう背景や歴史を知っていくと、より神社に親しみが持てると思います。

 

コラムの方は、最初の2つがいきなり新選組絡みで個人的には嬉しかったです。

ただコラムの話は本当に簡易的な紹介なので、コラムのタイトルの内容がきちんと示されているかと言えば、そうでもなかったりします。

いや、書かれてはいるんですが、いざ読み終わった後に改めてタイトルを見ると、自分の中でそのタイトルが示した疑問に対する答えが出てこないという。

そこがちょっと難点かなという気はしました。

 

個人的には宇佐八幡宮の神託事件と、白峯神社と崇徳天皇に関する話が印象深かったです。

前者は男女の愛憎が絡んだ話、後者は御霊信仰に関わる話ですね。

我ながら悪趣味な選択な気がしないでもない。

どちらもまだ行ったことがないので、この話を知った上で実際に行ってみたらどう感じるのか、今から楽しみだったりします。

逆転裁判 時間旅行者の逆転

 

逆転裁判 時間旅行者の逆転 (ハヤカワ文庫JA)

逆転裁判 時間旅行者の逆転 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

逆転裁判」シリーズ15周年記念のノベライズとのことですが、ゲーム内容のノベライズではなく完全オリジナルストーリー。

前半はなるほど君の時代から15年前を舞台に御剣検事の父、信さんが弁護士として狩魔検事とある殺人事件を巡り法廷バトルを繰り広げます。

後半はなるほど君と御剣検事が、15年前の殺人事件にも繋がる現在での殺人事件に挑みます。

信さんが出てくる辺り、逆転裁判ファン泣かせな気がします。

お馴染みのまよいちゃん、矢張、冥ちゃん(子供時代)に糸鋸刑事などのサブキャラも登場しています。

 

どちらの事件も「タイムマシン」及び「コールドスリープ」という未来の技術が絡んできます。

この2つの技術は「実現可能か」「存在を認めるか」これをどう判断するかが事件解決に大きく影響してきます。

逆転裁判だからいいものの、普通のミステリでは禁じ手かなと思わないでもないです。

現実ではあり得ませんから。

 

無論、なるほど君たちも「そういう技術はあり得ない」路線で事件解決を図るのですが……そう簡単に問屋は卸さない。

なかなか複雑な内容となっていますので、読み応えはあります。

 

が、読み応えがあるのと内容に納得できるかは別問題でして。

ネタバレを承知で言ってしまいますが、この話、最後まで読んでもすっきり解決はしません。

逆転裁判なのに、判決が出ません。

真犯人を最後まで問い詰めることができないので、事件の全容も想像の域を出ないという。

 

逆転裁判の魅力は(特に初期シリーズは)真犯人を法廷で倒して無罪判決を勝ち取る爽快さにあると思うのですが、このノベライズではその爽快さを求めることができません。

もし回収されなかった伏線があったとしても、後々の話で回収されますから、全クリする頃にはすっきりする筈です。

しかし、このノベライズは、後程の話(例えばノベライズ2冊目などの手段)で回収することすら諸々の事情で無理という(流石にこの詳細を書き記すのはネタバレが酷くなるので伏せ)

 

何より本家でもそこまでぶっ飛んだオチ(限りなくSF寄りなオチ)にはしなかっただろうという展開も出てきます。

純粋な逆転裁判ファンになればなるほど「異議あり!」と言いたくなるかと。

キャラクター設定がぶっ飛んでいても、オカルトや現実ではあり得ない凄い機械が出てきたとしても、それは情報を集める上での手段に留まっていて、ミステリとしての謎解き部分は現実的なのが本家なんですが、このノベライズは以下略。

とにかくラストになればなるほど違和感が出てきます。

 

法廷でのバトルは本家さながらで面白かったのですが(特に前半の信さんと狩魔検事の話は最高に面白い)結末がなあ……「待った!」と言いたい。

逆転裁判ファンの方は、上記の点を念頭に置いて読んでください。

ヴァチカン図書館の裏蔵書

 

ヴァチカン図書館の裏蔵書 (新潮文庫nex)

ヴァチカン図書館の裏蔵書 (新潮文庫nex)

 

 

2017/09/11読了。

イタリアのヴァチカンに留学している主人公(大叔父が枢機卿)が若き神父と共にヴァチカン秘密記録保管所で資料探しに明け暮れる中、魔女狩りを思わせる連続殺人事件が発生。

昔実在した異端者集団も絡んで、その事件に知らず知らずに巻き込まれてしまう主人公は果たして。

 

作中に出てくるこの異端者集団、フィクションかと思いきや、実在していた(らしい)集団で驚いてしまいました。

そういった歴史的背景をしっかり踏まえているからでしょうか、思っていたより読み応えがありました。

 

魔女狩り的な猟奇的殺人の犯人は誰なのか。

主人公が無自覚で勘が鋭いのに(理由は最後で何となく把握できます)それを自分では解釈できない残念仕様。

だから、気付かぬうちに読者側に色々ヒントを振りまいていたのが(要は伏線を張ってくれていた)後々に分かった時には鳥肌が立ちました。

解釈役の神父さんがいて良かったですよ。

結局は後手に回りはしますが。

中盤は誰が味方で誰が敵なのかも分からなくなってくる感じなのも、ゾクゾクできて良かったですし。

大叔父さんが特に怪しかったですから。

最終的にはただの大叔父馬鹿だったので一安心しましたが。

甥のために現場まで来ちゃいますからね。

 

歴史を絡めたミステリとしても犯人探しも楽しい作品でした。

主人公の前述以外の能力は今回の事件の根幹に関わるものですが(故にこれは詳しくは書かない)今後も使えそうなので、続きも期待したいところ。

楽しみに待とうと思います。

見習い鑑定士の奮闘-京都寺町三条のホームズ(8)

 

見習い鑑定士の奮闘-京都寺町三条のホームズ(8) (双葉文庫)

見習い鑑定士の奮闘-京都寺町三条のホームズ(8) (双葉文庫)

 

 

2017/09/18読了。

葵ちゃんもホームズさんもそれぞれ高校、大学院を卒業(修了)ということで、人物紹介イラストも心機一転で始まった葵ちゃん大学生編。

と言いつつも、どちらかというとホームズさん武者修行編という。

 

折角2人で「蔵」を切り盛りできるかと思いきや、ホームズさんは前述通り社会勉強も兼ねての武者修行の旅に。

具体的には様々な場所での短期の仕事をこなしていきます。

美術館の学芸員(これがまた国内に限らずニューヨークにまで行っちゃうという)に社長秘書。

何でも人並み以上にこなしてしまうホームズさんは流石過ぎます。

 

まあそういう訳で、葵ちゃんも大学生になったというのに遠距離恋愛状態で、今回はあまり2人の絡みはないのかなと思っていたのですが……まあ安定の彼氏バカなホームズさんで。

数少ない葵ちゃんとの逢瀬中(※3話目は一時帰還中なので除く)にキャラ崩壊させまくってました。

周りがドン引きするほどってどないという。

読んでるこちらは大爆笑でしたが。

 

ホームズさんの方に重きを置いている感じだったので、葵ちゃんの大学生活の話も少なめになってはいます。

が、代わりにホームズさんの子供時代の話が暴露されたり(2話目が丸々過去話)決して褒められない恋愛遍歴が暴露されたり(葵ちゃんは「予想の範疇内でした」と言って一蹴……安定の酷さ←笑うところ)ホームズさん好きにはたまらない感じになっていたかと。

 

また、今回は短編集といったかつてのスタイルで、ここ最近の長編ではなかったので、読んでいて懐かしさも感じたり。

やっぱり、こういうスタイルの方が「寺町三条のホームズ」シリーズは個人的には落ち着くなと。

3話目は修業中のホームズさんも一時帰還で、ばっちり2人のクリスマス話も楽しめます。

どうやら過去に書こうとしてボツにしたもののリメイク作品だったようで。

より懐かしい雰囲気を感じたのはそのせいですね。

 

葵ちゃんの親友にまさかの恋愛フラグが立ったり(お相手がまさかすぎた)円生さんとホームズさんの小競り合いがあったりなど小話もあり、何とも内容の豪華な8巻でした。

ホームズさんの修行の旅はまだまだ続くようですが、果たしてどうなるのか。

それよりも、未だキス止まりな2人の関係がこの先どうなっていくのかも楽しみです。

何かどんどんホームズさんの中での「葵ちゃん天使すぎて手が出せない」度が増し増しなってるのが……頑張れ男の子。

神社で引き寄せ開運☆

 

 

2017/09/17読了。

所謂神社への参拝方法などのマナー本やハウツー本になるかと思いますが、書き方や視点が少し普通のその手の本とは違いました。

普段から神社ガイドをされている方が書かれた本なので「実際に神社にお参りする時に知っておいたら得する本」という感じでした。

そう、「得する本」!

知らなくてもお参りはできるし、その手の本を一冊でも読めば大体他の本も同じことが書かれてるから大丈夫だけど、この本はそういう本では補完ができない部分をフォローしてくれていた気がします。

無論、初心者向けの基本マナーも書かれてますが、より実践に近いことが書かれていたというか。

痒いところに手が届く内容と言いますか。

普通の神社参拝ハウツー本と併せて読んでいただければと思います。

 

特にありがたかったのは「お願いの仕方」

どうお願い事をすれば叶いやすいのか、根拠も併せて書かれていて役に立ちました。

おみくじや御朱印の保管方法などについてもアドバイスがあって助かりましたし。

女性らしい細やかな内容になっています。

 

神様が見えると仰る方なので、時々「うん?」と首を傾げる内容がない訳ではないですが(信じない人は信じない内容が書かれていることもある)その他は良書だと自分は思います。

もう少し踏み込んだ内容に触れたい神社好きの方、いかがでしょうか。

月世界紳士録

 

月世界紳士録 (集英社オレンジ文庫)

月世界紳士録 (集英社オレンジ文庫)

 

 

2017/09/15読了。

宇宙技術に携わる会社なのに主役2人が配属されているのは月に関わることなら何でもやるという通称「竹取班」

嘘をつくと火が消えるランプ「朧月夜」

竹取物語に出てくる羽織ると愛しい気持ちがなくなってしまうという羽衣。

月のサイクルを利用した農業を研究している植物園。

そして、夜に現れた遊園地「ルナパーク」

これらに関わる騒動や謎に2人がどう携わるのか。

 

どのお話も序盤はまるで魔法やファンタジーのような雰囲気ですが(植物園の話は女性が3人出てきて何とも姦しい感じなので幻想さは少ないですが)オチはどれもちゃんと現実的なところに落ち着きます。

ファンタジー落ちで終わらせないところが、流石三木さんの作品。

描写が美しいのも健在です。

ルナパークの描写が特に幻想的でした。

 

主役2人は飄々とした探偵役と生真面目でお人好しな助手という男性ペア。

助手が気になったらとことん調べるし、几帳面だし、お人好しで(すぐ騙される)真面目なキャラなんですが、推理の方面はからっきしのようで。

探偵役の方は、あまり自分からは動きませんが、助手が事細かに報告してくれる報告書を読んで解決する安楽椅子探偵みたいでした。

まあ現場に出張ることもありますので、安楽椅子探偵ものと一括りにはできませんが、事件解決にかける労力はエコモードな印象だったので。

これまたユニークな組み合わせでした。

助手さん、頑張れば推理できそうなのに。

 

美しい描写で謎が楽しめる三木さんの作風が今回も活きた作品だったと思います。

月絡みのお話、また楽しみたいですね。

 

キャスター探偵 愛優一郎の友情

 

キャスター探偵 愛優一郎の友情 (オレンジ文庫)

キャスター探偵 愛優一郎の友情 (オレンジ文庫)

 

 

2017/09/14読了。

金曜23時20分の報道番組のイケメンキャスターが同級生かつアシスタントかつ同居人の新人作家を連れ回して取材と称しつつ事件を解決していくシリーズ2作目。

前作は確か短編が何作かあったと思いますが、今回は中編一作と短編一作+後日談な仕様。

どちらも女性絡みです。

 

中編は人気女性小説家が久し振りの新作を発表というタイミングで起きた殺人事件。

一見繋がりのない筈だったのに、殺されたのが小説家志望の男性、共通した編集者が絡んで一つになっていきます。

この編集者がまあ性格最悪な奴でして、どうにかならんのかと思っていましたら、まあ最後にはざまあな展開に。

実際にどうなったかまでは分かりませんが、愛キャスター、割とえげつないです。

相方すら貶した相手ですからね、容赦ない。

 

短編の方は、美人女優殺人事件でまさかのサブキャラである刑事さんが容疑者!?

彼の部下に泣きつかれて捜査という名の取材先はヤクザ!?

短いながらもハラハラした展開が楽しめました。

こちらも終わりがすっきりできるタイプのもので爽快です。

勧善懲悪よいぞ。

 

愛キャスターが容姿端麗、頭脳明晰、男女問わずモテるという感じで二次元めいてはいますが、記者叩き上げということで、丁寧に取材して事件を解決していくので、あまりイケメン特有の鬱陶しさというか鼻に付くみたいな印象がなくて読みやすいです。

相方の小説家さんもお人好しでいいキャラしてますしね。

また是非2人の取材を拝めたらなと思います。

チーム愛(撮影スタッフ)の出番が今回は少なかったので、彼らがもっと活躍するところも読みたいですし。

続き期待してます。