いこの読了本備忘録。

読んだ本の覚え書き、みたいな。キャラクター小説多め。

ヴァチカン図書館の裏蔵書

 

ヴァチカン図書館の裏蔵書 (新潮文庫nex)

ヴァチカン図書館の裏蔵書 (新潮文庫nex)

 

 

2017/09/11読了。

イタリアのヴァチカンに留学している主人公(大叔父が枢機卿)が若き神父と共にヴァチカン秘密記録保管所で資料探しに明け暮れる中、魔女狩りを思わせる連続殺人事件が発生。

昔実在した異端者集団も絡んで、その事件に知らず知らずに巻き込まれてしまう主人公は果たして。

 

作中に出てくるこの異端者集団、フィクションかと思いきや、実在していた(らしい)集団で驚いてしまいました。

そういった歴史的背景をしっかり踏まえているからでしょうか、思っていたより読み応えがありました。

 

魔女狩り的な猟奇的殺人の犯人は誰なのか。

主人公が無自覚で勘が鋭いのに(理由は最後で何となく把握できます)それを自分では解釈できない残念仕様。

だから、気付かぬうちに読者側に色々ヒントを振りまいていたのが(要は伏線を張ってくれていた)後々に分かった時には鳥肌が立ちました。

解釈役の神父さんがいて良かったですよ。

結局は後手に回りはしますが。

中盤は誰が味方で誰が敵なのかも分からなくなってくる感じなのも、ゾクゾクできて良かったですし。

大叔父さんが特に怪しかったですから。

最終的にはただの大叔父馬鹿だったので一安心しましたが。

甥のために現場まで来ちゃいますからね。

 

歴史を絡めたミステリとしても犯人探しも楽しい作品でした。

主人公の前述以外の能力は今回の事件の根幹に関わるものですが(故にこれは詳しくは書かない)今後も使えそうなので、続きも期待したいところ。

楽しみに待とうと思います。

見習い鑑定士の奮闘-京都寺町三条のホームズ(8)

 

見習い鑑定士の奮闘-京都寺町三条のホームズ(8) (双葉文庫)

見習い鑑定士の奮闘-京都寺町三条のホームズ(8) (双葉文庫)

 

 

2017/09/18読了。

葵ちゃんもホームズさんもそれぞれ高校、大学院を卒業(修了)ということで、人物紹介イラストも心機一転で始まった葵ちゃん大学生編。

と言いつつも、どちらかというとホームズさん武者修行編という。

 

折角2人で「蔵」を切り盛りできるかと思いきや、ホームズさんは前述通り社会勉強も兼ねての武者修行の旅に。

具体的には様々な場所での短期の仕事をこなしていきます。

美術館の学芸員(これがまた国内に限らずニューヨークにまで行っちゃうという)に社長秘書。

何でも人並み以上にこなしてしまうホームズさんは流石過ぎます。

 

まあそういう訳で、葵ちゃんも大学生になったというのに遠距離恋愛状態で、今回はあまり2人の絡みはないのかなと思っていたのですが……まあ安定の彼氏バカなホームズさんで。

数少ない葵ちゃんとの逢瀬中(※3話目は一時帰還中なので除く)にキャラ崩壊させまくってました。

周りがドン引きするほどってどないという。

読んでるこちらは大爆笑でしたが。

 

ホームズさんの方に重きを置いている感じだったので、葵ちゃんの大学生活の話も少なめになってはいます。

が、代わりにホームズさんの子供時代の話が暴露されたり(2話目が丸々過去話)決して褒められない恋愛遍歴が暴露されたり(葵ちゃんは「予想の範疇内でした」と言って一蹴……安定の酷さ←笑うところ)ホームズさん好きにはたまらない感じになっていたかと。

 

また、今回は短編集といったかつてのスタイルで、ここ最近の長編ではなかったので、読んでいて懐かしさも感じたり。

やっぱり、こういうスタイルの方が「寺町三条のホームズ」シリーズは個人的には落ち着くなと。

3話目は修業中のホームズさんも一時帰還で、ばっちり2人のクリスマス話も楽しめます。

どうやら過去に書こうとしてボツにしたもののリメイク作品だったようで。

より懐かしい雰囲気を感じたのはそのせいですね。

 

葵ちゃんの親友にまさかの恋愛フラグが立ったり(お相手がまさかすぎた)円生さんとホームズさんの小競り合いがあったりなど小話もあり、何とも内容の豪華な8巻でした。

ホームズさんの修行の旅はまだまだ続くようですが、果たしてどうなるのか。

それよりも、未だキス止まりな2人の関係がこの先どうなっていくのかも楽しみです。

何かどんどんホームズさんの中での「葵ちゃん天使すぎて手が出せない」度が増し増しなってるのが……頑張れ男の子。

神社で引き寄せ開運☆

 

 

2017/09/17読了。

所謂神社への参拝方法などのマナー本やハウツー本になるかと思いますが、書き方や視点が少し普通のその手の本とは違いました。

普段から神社ガイドをされている方が書かれた本なので「実際に神社にお参りする時に知っておいたら得する本」という感じでした。

そう、「得する本」!

知らなくてもお参りはできるし、その手の本を一冊でも読めば大体他の本も同じことが書かれてるから大丈夫だけど、この本はそういう本では補完ができない部分をフォローしてくれていた気がします。

無論、初心者向けの基本マナーも書かれてますが、より実践に近いことが書かれていたというか。

痒いところに手が届く内容と言いますか。

普通の神社参拝ハウツー本と併せて読んでいただければと思います。

 

特にありがたかったのは「お願いの仕方」

どうお願い事をすれば叶いやすいのか、根拠も併せて書かれていて役に立ちました。

おみくじや御朱印の保管方法などについてもアドバイスがあって助かりましたし。

女性らしい細やかな内容になっています。

 

神様が見えると仰る方なので、時々「うん?」と首を傾げる内容がない訳ではないですが(信じない人は信じない内容が書かれていることもある)その他は良書だと自分は思います。

もう少し踏み込んだ内容に触れたい神社好きの方、いかがでしょうか。

月世界紳士録

 

月世界紳士録 (集英社オレンジ文庫)

月世界紳士録 (集英社オレンジ文庫)

 

 

2017/09/15読了。

宇宙技術に携わる会社なのに主役2人が配属されているのは月に関わることなら何でもやるという通称「竹取班」

嘘をつくと火が消えるランプ「朧月夜」

竹取物語に出てくる羽織ると愛しい気持ちがなくなってしまうという羽衣。

月のサイクルを利用した農業を研究している植物園。

そして、夜に現れた遊園地「ルナパーク」

これらに関わる騒動や謎に2人がどう携わるのか。

 

どのお話も序盤はまるで魔法やファンタジーのような雰囲気ですが(植物園の話は女性が3人出てきて何とも姦しい感じなので幻想さは少ないですが)オチはどれもちゃんと現実的なところに落ち着きます。

ファンタジー落ちで終わらせないところが、流石三木さんの作品。

描写が美しいのも健在です。

ルナパークの描写が特に幻想的でした。

 

主役2人は飄々とした探偵役と生真面目でお人好しな助手という男性ペア。

助手が気になったらとことん調べるし、几帳面だし、お人好しで(すぐ騙される)真面目なキャラなんですが、推理の方面はからっきしのようで。

探偵役の方は、あまり自分からは動きませんが、助手が事細かに報告してくれる報告書を読んで解決する安楽椅子探偵みたいでした。

まあ現場に出張ることもありますので、安楽椅子探偵ものと一括りにはできませんが、事件解決にかける労力はエコモードな印象だったので。

これまたユニークな組み合わせでした。

助手さん、頑張れば推理できそうなのに。

 

美しい描写で謎が楽しめる三木さんの作風が今回も活きた作品だったと思います。

月絡みのお話、また楽しみたいですね。

 

キャスター探偵 愛優一郎の友情

 

キャスター探偵 愛優一郎の友情 (オレンジ文庫)

キャスター探偵 愛優一郎の友情 (オレンジ文庫)

 

 

2017/09/14読了。

金曜23時20分の報道番組のイケメンキャスターが同級生かつアシスタントかつ同居人の新人作家を連れ回して取材と称しつつ事件を解決していくシリーズ2作目。

前作は確か短編が何作かあったと思いますが、今回は中編一作と短編一作+後日談な仕様。

どちらも女性絡みです。

 

中編は人気女性小説家が久し振りの新作を発表というタイミングで起きた殺人事件。

一見繋がりのない筈だったのに、殺されたのが小説家志望の男性、共通した編集者が絡んで一つになっていきます。

この編集者がまあ性格最悪な奴でして、どうにかならんのかと思っていましたら、まあ最後にはざまあな展開に。

実際にどうなったかまでは分かりませんが、愛キャスター、割とえげつないです。

相方すら貶した相手ですからね、容赦ない。

 

短編の方は、美人女優殺人事件でまさかのサブキャラである刑事さんが容疑者!?

彼の部下に泣きつかれて捜査という名の取材先はヤクザ!?

短いながらもハラハラした展開が楽しめました。

こちらも終わりがすっきりできるタイプのもので爽快です。

勧善懲悪よいぞ。

 

愛キャスターが容姿端麗、頭脳明晰、男女問わずモテるという感じで二次元めいてはいますが、記者叩き上げということで、丁寧に取材して事件を解決していくので、あまりイケメン特有の鬱陶しさというか鼻に付くみたいな印象がなくて読みやすいです。

相方の小説家さんもお人好しでいいキャラしてますしね。

また是非2人の取材を拝めたらなと思います。

チーム愛(撮影スタッフ)の出番が今回は少なかったので、彼らがもっと活躍するところも読みたいですし。

続き期待してます。

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました

 

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました (角川ビーンズ文庫)

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました (角川ビーンズ文庫)

 

 

 2017/09/10読了。

最初にぶっちゃけますが、「なろう」でやたら流行っている悪役令嬢が主役話とか、乙女ゲーム内への転生話というのは意味不明で正直苦手なんですが(ゲーム内とかいう電脳世界への転生って何だよという)大好きな永瀬さらさ先生の作品ということで手に取ってみました。

流石、よく練りこまれていて、思っていたより断然楽しく読めました。

 

乙女ゲームの悪役令嬢として転生したことを思い出した主人公が、破滅フラグを回避するため、ラスボスとして覚醒する予定の魔王を飼って、もとい落としにかかる物語。

ただの恋愛話ではなく、次々現れるフラグをへし折るためにどうするか、乙女ゲームというより戦略シミュレーションを見ているかのようでした。

そうそう、この辺りの構成が、どの作品でも凄いなと思えるところです。

政略とか陰謀とかを絡ませてくるから面白いのです。

 

また、転生を思い出しはしたけど、主人公が乙女ゲームのストーリーを全部思い出した訳ではなく、小出しで思い出していくところがユニークでした。

だからまとめて一気に解決とはいかず、一つ一つ問題を解決していく、その度に悪役令嬢の逆転劇が見られてワクワクしました。

段々乙女ゲームの本来のヒロインやヒーローがクズになっていくのも爽快でしたね。

本来のヒロインの方が腹黒な感じでしたしね。

乙女ゲームのヒロインがそれでいいのか。

 

勿論、恋愛話としても楽しめました。

魔王を落としにかかった主人公がかなり鈍感で、結局は魔王落とせてるのに気付いてない辺りが笑えて笑えて。

周囲は気付いてるのにね。

そうそう、周りのキャラクターも魅力たっぷりで、より世界観の掘り下げになっていたと思います。

ただ男性キャラクターばっかりでしたから、魔王の心労を思うと……

 

ゲームの世界観も練りこまれていましたし、単純な恋愛ものとして読ませないところが、本当に流石でした。

苦手なジャンルも楽しく読めませてくれたことに感謝です。

家政婦ですがなにか? 蔵元・和泉家のお手伝い日誌

 

家政婦ですがなにか? 蔵元・和泉家のお手伝い日誌 (オレンジ文庫)

家政婦ですがなにか? 蔵元・和泉家のお手伝い日誌 (オレンジ文庫)

 

 

2017/09/02読了。

たった一人の肉親だった母親を亡くし、短大卒業後に蔵元のお宅で住み込みの家政婦(仮採用)をすることになった主人公のみやび。

但し住み込み先には、曲者ばかりの四兄弟がいた。

そんな兄弟と関わりつつ、みやびがいてもいい場所、そして家族が何なのかを見つけていく物語。

 

本当に濃い面子の兄弟による騒動を楽しませていただきつつ、家族とは果たして何ぞやと考えさせられる話でありました。

主人公のみやびには父親がなく(死んだ訳ではなく誰なのか不明なので、父親探しも話に関わってきます)母親も亡くしたため、彼女は現在「家族」と呼べる人たちがいない状態。

金にこそ執着は見せど(理由は後半で判明)基本的には表情に乏しく、感情を表に出すことをあまりしないみやびなので、天涯孤独な彼女が本当は何を求めているのか、自分に必要なものは何なのか、自分でも分かっていないという。

そんな彼女が兄弟たちとの、なかなかにハードな触れ合いを通じて、そんな自分と向き合っていく、そんな話に思えました。

まあコミカルな部分もあるので、重苦しい話ではなく、読みやすいお話ですが。

 

今回は全3話なので、四兄弟のうち長男以外の兄弟たちと1話ごとにがっつり絡む構成だったので、続編あるなら長男ともちゃんと絡む話も読みたい気がします。

が、彼は婚約者ありですからなあ。

ならせめて次男との絡みをもっと!

 

今回はみやびは自分探し(?)に一生懸命だったところもあり、折角イケメン四兄弟と一つ屋根の下生活だったのに、あまりロマンがありませんでしたので。

みやびにとっての第一印象は最悪でしたが、何だかんだでよくみやびを心配してくれた次男でしたし、兄弟の中では絡みが一番多かったこともあり、続編あるなら、彼との仲の進展にも期待したい。

是非続きが読みたい作品です。

 

それにしても、奥様の趣味とはいえ、メイド服にツインテールのメガネ家政婦って……家は純和風なのに凄い。

何だかんだで受け入れてるみやびも凄い。

それに慣れちゃった兄弟たちも以下同文。